やっぱりトヨタ車がイイ! 長~い「6WDランドクルーザー」フランス特殊部隊が愛用するワケ
パリで開催の防衛見本市「ユーロサトリ2024」に、日本でも人気のSUV「ランドクルーザー」の6WDモデルが展示されていました。ただ、ここまで改造するなら別の車両でもよい気が。その理由をメーカーに聞きました。
改造ランクルのニーズはアフリカにあり!
「ユーロサトリ2024」の会場では、防衛関係の企業だけでなく開催国のフランス陸軍も出展しており、戦車を始めとして様々な運用中の兵器が展示されていました。その中には、テクナム社の「マステックT6」もあり、その脇にはなんと特殊部隊の隊員と称する覆面姿の隊員が立っていて、この車両についての説明までしていました。
その隊員の説明によると、「マステックT6」のフランス軍での名称は「VOS-APP」といい、用途は特殊作戦の支援だそうです。この車両は主にアフリカにおける対テロ作戦に使われていて、通常のフランス軍で多用されているグリーン系の迷彩ではなく、砂漠をイメージしたサンドイエローの塗装であるのもそれが理由とのこと。
装甲を外してオープントップにしたのも、この車両が軍隊同士で弾丸を撃ち合う正規戦での使用を想定しておらず、それよりも僻地での長距離行動を想定した結果だといいます。
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じつは、アフリカにはかつてフランスの植民地だった国が多くあり、その関係で現在でもフランスとの交流や利権関係が続く地域や国が一定数あります。そのため、フランス軍はOPEX(対外作戦)の名称でアフリカ地域に一定数の軍隊を派遣しており、この地域でのテロ活動や武装勢力に対しては、たびたび武力介入まで行っています。
マステックT6のような特殊な車両を導入した理由は、フランス軍にとってはアフリカ地域での任務が自国や欧州地域の安定と並んで重要であることを示していると言えるでしょう。
【了】
Writer: 布留川 司(ルポライター・カメラマン)
雑誌編集者を経て現在はフリーのライター・カメラマンとして活躍。最近のおもな活動は国内外の軍事関係で、海外軍事系イベントや国内の自衛隊を精力的に取材。雑誌への記事寄稿やDVDでドキュメンタリー映像作品を発表している。 公式:https://twitter.com/wolfwork_info
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