“アルト47万円”の再来? これぞ「庶民のためのスズキSUV」海外で実見 装備ナシナシ?→全然違った!

1グレードのみ 果たして値段は?

 シートレイアウトは、ヘッドレスト一体式フロントシートと調整可能なヘッドレスト付リアシートの4人乗り。後席はシートバックが一体可倒式となっていてラゲッジスペースを拡大することもできます。

 座ってみると、悪路も多い土地柄を意識してか、シンプルな作りの割にはクッションが効いていて座り心地は良好です。また車内の各部に、グローブボックスを始めとした小物入れやドリンクホルダーも用意され、使い勝手にも配慮されています。

 パワーユニットは、K10C型と呼ばれる自然吸気仕様の1.0L直列3気筒エンジンを搭載し、最高出力49ps、最大トルク89Nmを発揮します。トランスミッションには、日本ではレアな5速MTに加え、MTをベースとしたオートマチックである5速AGSを設定しています。インドネシア仕様は、ガソリン車のみですが、生産国であるインドでは、CNG(圧縮天然ガス)仕様も設定されています。ボディカラーも多彩で、オレンジ、レッド、ブルーの鮮やかな色味に加え、グレーメタリック、シルバーメタリック、ホワイトの定番色が用意されています。

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アルミホイールを採用(大音安弘撮影)。

 インドネシア仕様は、装備を充実させたモノグレードとなっており、MTが1億6910万ルピア、AGSが1億7910万ルピア。日本円に換算すると、約156万円と約165万円になります(1ルピア=0.0092円)。インドネシア中央統計庁の2023年の調査によると、平均年収が約37万円だそうなので、やはり、クルマが憧れの存在であることが分かります。

 日本のスズキ車で言えば、アルトのようなシンプルさですが、それも現代版ではなく、「アルト47万円」のキャッチコピーで1979年に登場した初代に通じるものがあります。このシンプルさは、充実装備の軽自動車が溢れる日本では、受け入れられないでしょう。ただ念願が叶い初めてクルマを手にするインドネシアの人たちに、喜んでもらえる内容となっているとは感じました。

【了】

【え…】これがスズキの「新興国向けエントリーSUV」です(写真)

Writer: 大音安弘(自動車ライター)

1980年生まれ。埼玉県出身。クルマ好きが高じて、エンジニアから自動車雑誌編集者へ。その後、フリーランスになり、現在は自動車雑誌やウェブを中心に活動中。主な活動媒体に『ナビカーズ』『オートカーデジタル』『オープナーズ』『日経トレンディネット』など。歴代の愛車は全てMT車という大のMT好き。

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