ついに公開「21世紀のコンコルド」操縦席に乗ってきた! 昔の「超音速旅客機」とは全く違うぞ!

「コンコルド」とは全く違うコクピット

 同航空ショーでは韓国メーカーのKAI(韓国航空宇宙産業)も、戦闘攻撃機「FA-50」のコクピット・シミュレーターを展示していましたが、こちらは戦闘攻撃機らしく操縦桿の動きに俊敏に反応します。対して、「オーバーチュア」は全体的にゆったりとした反応で、速度こそ現代の旅客機を大きく上回るものの、“機体の動き”は旅客機らしくマイルドでした。

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公開されたオーバーチュアの「操縦席」(相良静造撮影)。

 また、1960年代に開発が始まった「コンコルド」のコクピットとくらべると、オーバーチュアは、操縦システムもいっそうコンピューター化され操縦用画面も簡素です。この2機の差は、超音速旅客機開発の世界における“歴史”を示しているかのようです。

 それに反して、超音速飛行への期待は今も色あせることはありません。ブームの報道資料の中で、ブリティッシュ・エアウェイズの元「コンコルド」首席パイロット、マイク・バニスター氏は「(オーバーチュアは)コンコルドの正当な後継者たる資格を有していると、私は強く考えています。というのも、(シミュレーターは)信じられないほどよく設計されているのが要因のひとつです」とコメントしています。

 テスト機XB-1の初飛行に続き、コックピット・シミュレーターが公開された「オーバーチュア」は、次にどのような動きを見せるのかが楽しみです。ちなみに「オーバーチュア」はユナイテッド航空などが発注しているほか、JAL(日本航空)もブームに対し、開発に出資、優先発注権を保有しています。その点も将来注目されるポイントでしょう。

【了】

【写真】ホントに超音速旅客機? 「21世紀のコンコルド」のスゴすぎる操縦席

Writer: 相良静造(航空ジャーナリスト)

さがら せいぞう。航空月刊誌を中心に、軍民を問わず航空関係の執筆を続ける。著書に、航空自衛隊の戦闘機選定の歴史を追った「F-Xの真実」(秀和システム)がある。

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