そこは秘境「道が1本しかない県境」がサイコーの絶景だった!「林道」から名前を変更した道とは?
「林道」の言葉通りなのか…?
緩やかな勾配の直線をアクセルを踏み込み登っていくと、やがてつづら折りが交互にやってきます。ここでのアクセルワークは少々難しいですが、想像よりも運転しやすいです。全線にわたって車線が分離(2車線)された相互通行となっており、林道でありがちな、すれ違いの難しい区間はありません。
また、進むにつれて山あいの絶景はもちろん、ルート上の近景も次々に変わり、この変化が爽快です。随所にある滝の脇を通ればマイナスイオンを感じることもできます。まさにドライブでの移動がそのまま観光になる絶景ルートだと思いました。
さらにルート上の各所には、クルマを駐車場に停めて徒歩でアクセスする温泉施設や展望台などが複数あります。今回の通行時刻が遅かったこともあり、いずれも立ち寄りませんでしたが、次回通行の際は、これらのスポット散策も込みで計画し、時間に余裕を持って訪れたいと思いました。
もちろん、ルート全てにおいていわゆる“酷道”のような、ガードレールもない断崖絶壁の脇をビクビク走るような場所もありません。全長33.3kmを約1時間半ほどで心地良く通行を終えることができました。
ただし、それでもやはり山間道路であることには変わりはなく、天候の急変や思わぬ落石などがないとも限らず、安全運転を心がけることには越したことはありません。通行される方は事前に情報を調べた上で余裕を持ってアクセスすると良いでしょう。
県境の道、1本じゃなくなるかも?
ところで、現在「白山白川郷ホワイトロード」と並行するように「小松白川連絡道路」という道路も計画されています。
冬場は通行止めとなる「白山白川郷ホワイトロード」に対し、長大なトンネルでつなぐ道路が想定されており、年間通して岐阜県と石川県とを行き来できるようにするもの。整備中の中部横断道と東海北陸道からなるネットワークを、直接、石川県に引き入れる構想でもあります
実現した際には、絶景を楽しむ「白山白川郷ホワイトロード」、より効率良く移動できる「小松白川連絡道路」と、双方の道路に使い分けができることになるかもしれません。岐阜県・石川県双方の多彩な魅力を、様々なニーズに合わせて、より深く合理的に楽しめる日が来ることに期待を寄せるばかりです。
【了】
Writer: 松田義人(ライター・編集者)
1971年、東京都生まれ。編集プロダクション・deco代表。バイク、クルマ、ガジェット、保護犬猫、グルメなど幅広いジャンルで複数のWEBメディアに寄稿中。また、台湾に関する著書、連載複数あり。好きな乗りものはスタイリッシュ系よりも、どこかちょっと足りないような、おもちゃのようなチープ感のあるもの。
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