完成近づく「札幌の圏央道」とは? マジでコレ無料!? “高速並み”だけど高速じゃない!
2つの時代の道路が同居
国道275号ランプから西側、札樽道の銭函IC(小樽市)までの28.6km区間は、道央圏連絡道路のなかでも昭和の時代に事業化され、平成の中頃にかけて開通した、やや古い区間です。石狩湾新港、小樽港などを連絡する幹線道路として4車線以上が確保されていますが、基本的に平面交差となっています。
このように、道央圏連絡道路は昭和の時代に事業化された区間と、平成以降に事業化された区間の2面性を持っています。無料かつ大部分の区間でハイスペックではあるものの、「高速道路」とは言えない存在です。新千歳空港方面から、当別町でいきなり信号が現れるところは要注意箇所といえます。
別名「ラピダス道路」?
札幌圏では道央道・札樽道の2大高速道路も札幌市街を経由するため、混雑が課題になっています。これに対し、札幌市から延びる放射道路を連絡し、相互にショートカットを可能とすることで、札幌市内へ流入する通過交通を分散させる狙いがあります。
また、北の小樽・石狩港、新千歳空港、さらに南の苫小牧港を直結することから、全線開通すれば物流ルートにも大きな影響を及ぼすと考えられます。
さらに、道央圏連絡道路の起点である千歳市内では、国産半導体製造の新会社「ラピダス」の工場が2025年の稼働を目指して建設中で、千歳周辺では関連企業の工場や物流施設も建設ラッシュ。北海道の鈴木直道知事も、ラピダス進出の効果を全道へ波及させるうえで不可欠な道路として、全線開通に期待を寄せています。
道央圏連絡道路の未開通部にあたる長沼町、南幌町などは、鉄道沿線でいえばJR千歳線と室蘭本線のあいだに位置し、農地や牧場が広がるのどかな地帯ですが、全線開通すれば千歳エリアの便利な通勤圏ともなりそうです。
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