台風で「道路通行止めの可能性がある」→なぜ止めない? 鉄道は「止めます」 ビミョーな表現のカラクリ

河川の水位変動は急激 クルマの駐車場所は明るいうちに移動

 気象庁は台風7号の16日以降の見通しで、関東甲信地方や伊豆諸島で最大風速40m/s、最大瞬間風速60m/sを予想しています。

 国土交通省物流・自動車局では降雨時、暴風時の目安を出していますが、30m/sでは「通常の速度で運転するのが困難」、それ以上では「走行中のトラックが横転する」と解説。この状態では輸送することは適切ではないとして、輸送の中止の検討などを助言しています。これは一般の運転者に向けた情報ではありませんが、運転の参考になります。

 さらに、気象庁は15日午前の会見で河川の水位についても警告しました。

「中小河川では大雨になると、短時間で急激に水位が上昇するため、早めの避難が必要。大河川では水位情報は緩やかだが、雨が降りやんでからも水位上昇が続く」

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目黒川。今回の台風でも急激に水位が上がる可能性が指摘されている(画像:写真AC)。

 2024年8月1日の大雨では、東京・世田谷区、目黒区、品川区から東京湾へ注ぐ目黒川は、20分で約2.5mも水位が上昇しました。人の避難と同時に、いつもの駐車場所の状況を確かめて、明るい間に車両を移動しておくことも大切です。避難と同様、暗くなってからの移動は危険です。

 また、地盤の低い地域では河川の水位が上昇して、本来であれば河川に流れ込むはずの雨水が地面に滞留して、内水氾濫が起きる可能性があります。人は高層階で安全を確保できても、車両は浸水してしまう、といったことがないように気を付けて下さい。

【了】

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Writer: 中島みなみ(記者)

1963年生まれ。愛知県出身。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者を経て独立。行政からみた規制や交通問題を中心に執筆。著書に『実録 衝撃DVD!交通事故の瞬間―生死をわける“一瞬”』など。

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