狙い通り? 阪神高速「長距離値上げ」で都心空く 料金改定の効果あったか 上限1320円→1950円
逆に交通量増えたところは?
長距離利用を「避けてる」 阪神高速の料金改定効果
国土交通省は2024年8月23日、今年6月の「近畿圏の新たな高速道路料金」導入後1か月間の交通状況について発表しました。
「近畿圏の新たな高速道路料金」は、阪神高速の上限料金を「普通車1320円から1950円に引き上げる」こと、0-4時に適用される「深夜割引(20%)」の新規導入、阪神高速とNEXCO西日本とまたぐ利用に各種の迂回割引を導入することが柱です。
これは、阪神高速の料金が32.3km以上の長距離を走っても、普通車で1320円に据え置きだったことから、通過交通が混雑する都心部をあえて選択するという実態を改めることに主眼が置かれていました。深夜割引の導入も空いている時間帯の利用を促し、混雑緩和につなげる狙いがあります。
その結果、前年同期(2023年6月)と比べて55km以上の長距離利用は9.7%のマイナスに。ただし全体交通量は増えており、50km未満の利用は押しなべて増加しています。
割引対象となる深夜帯の交通量は、全体交通量がプラス1.4%、その他の時間帯がプラス1.3%というなか、プラス1.8%の増加率を見せました。
阪神高速各所の断面交通量では、おおむね都心部が減少し、迂回先となる郊外部が増加しています。3号神戸線は神戸都心でマイナス1.5%の一方で、7号北神戸線は最大でプラス5.5%になった箇所もあります。
神戸の伊川谷JCTから東大阪JCTまでのルートでは、都心迂回ルート(7号線、中国道経由)の分担率が微増、都心通過ルート(3号線経由)が微減になったそうです。都心迂回ルートは10km以上長く走りますが、料金は都心通過ルートと変わらないようになりました。
三宝JCT(堺市)-東大阪JCT間のルートでは、6号大和川線+近畿道を利用する都心迂回ルートの利用率がプラス1.8%、対して13号東大阪線経由の都心通過ルートがマイナス20%という結果に。ただしこれは「堺泉北道路や阪和自動車道等を経由するルートが存在しており、広域的に転換しているものと推測される」とのことです。
国土交通省は今回の結果から、次のような状況が確認されたとしています。
・阪神高速の長距離利用が減少し、短距離利用が増加
・阪神高速の深夜利用が増加
・大阪都心部を通過する交通が減少し、都心部を迂回する交通が増加
【了】
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