領空侵犯機は撃墜…できません! 初めて入ってきた中国軍機への“対処ステップ”とは

2024年8月26日、中国軍の情報収集機が初めて領空を侵犯する事件が発生しました。中国軍機による初の領空侵犯事案であるだけに多くの注目を集めていますが、ネット上では「これを撃墜できないのか?」という意見が散見されます。法的にはどうなっているのでしょうか。

「必要な措置」の内容とは?

 ここで気になるのは、「必要な措置」の内容です。過去の国会答弁に基づけば、(1)領空侵犯機の確認、(2)領空を侵犯している旨の警告、(3)領空外への退去または自衛隊基地等への誘導、(4)武器使用という、段階的な措置がとられることが自衛隊内の規則で定められているようです。

 そして、最後の「武器使用」というのが、今回話題となっている「撃墜」に関連する措置になります。武器使用とは、「武器を本来の用法に従って使用すること」で、相手に対して武器を向けた段階から開始されます。そのため、領空侵犯機が指示に従わない場合に行われる、相手機に照準を合わせない機関砲での信号射撃(警告射撃)は、武器使用には当たりません。

 上空を飛行する航空機に対して武器を使用するとなると、相手は撃墜されることとなり、当然乗員の生命に関わります。そのため、自衛隊では武器使用について慎重な基準を設けています。過去の国会答弁に基づくと、武器使用が許されるのは次のようケースです。

 一つは、領空侵犯機が自衛隊機の警告や誘導に従わずに退去せず、さらに自衛隊機に対して実力をもって抵抗してきた場合です。

 これに関しては、よく自衛隊機を操縦するパイロットの生命を守るための個人の権利である正当防衛として武器使用が許されている、という意味に誤解されがちです。実際には、自衛隊機が撃墜されてしまうとその後の任務遂行ができなくなってしまうため、それを防ぐために第84条を根拠に武器の使用が許されているという立て付けになっています。

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航空自衛隊のF-2戦闘機(画像:航空自衛隊)。

そしてもう一つは、国民の生命および財産に対して大きな危険が間近に迫っている場合です。たとえば、日本の領空を侵犯した爆撃機が上空で爆弾倉を開くなどした場合には、地上に住む国民の命に危険が差し迫っていると捉え、これに対して武器を使用することができるという整理が過去の国会答弁でなされたことがあります。

【写真】領空侵犯した中国軍の“ナゾの機体”

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