特急「はまかぜ」ここまで大化けするとは! ついに公開「はなあかり」 全車“見たことないグリーン車”の全貌

まずは敦賀&北近畿へ その後は「神出鬼没」?

 10月5日のデビューから12月までは、前出の通り敦賀に発着します。小浜線・舞鶴線から京都丹後鉄道に乗り入れ天橋立を経由し、豊岡で山陰本線に入り城崎温泉までを約5時間と、およそ半日かけて巡るスケジュールが組まれており、土曜日が敦賀発、日曜日が城崎温泉発という2日で1往復の運行です。

 城崎温泉行きは小浜線の美浜、小浜、若狭高浜、舞鶴線の東舞鶴で途中乗車が可能。敦賀行きは舞鶴線の東舞鶴、小浜線の若狭本郷、小浜、上中、十村、美浜での下車ができます。各沿線の駅や車内では、地域特産品の販売や実演、おもてなしが行われるそうです。また、車内では乗車4日前までに予約すると供される特製弁当&スイーツセットが用意されます。

 今回の下り列車(城崎温泉行き)では、約300年の伝統製法を守る米酢専門店による小鯛のささ漬、鯖へしこ若狭ガレイ、若狭牛など、若狭の食材をふんだんに取り入れ、デザートに天橋立チーズケーキがついた若狭町家弁当&スィーツセット(3500円)を用意。上り列車(敦賀行き)では、天橋立の成り立ち神話が由来となった笹寿司をはじめ、鯛や白バイ貝など丹後の名産を詰め込んだメニューに、若狭名物でっち羊羹がついた丹後晩秋弁当&スイーツセット(3900円)を用意しています。

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「はなあかり」に乗務するアテンダントさん。エプロンは岡山・倉敷帆布で製作(坪内政美撮影)。

 気になる値段ですが、「スーペリアグリーン車」が片道1万2840円(2人利用時)、その他クリーン車指定料金が1万640円です。本来は5回以上乗り換えが必要となる同区間おいて、乗換なして観光を楽しみながら半日ゆったりと過ごすのにはお手軽だと思います。

 今回乗り入れする京都丹後鉄道のレストラン列車「くろまつ」や観光列車「あかまつ」「あおまつ」にも乗車する観光列車三昧や、今回の「はなあかり」と何処となく似ている播但線の普通観光列車「うみやまむすび」にも乗ってみるのも、さらに楽しいものになるのではないでしょうか。

 2020年に運行開始した、夜行の長距離列車として運用する「WEST EXPRESS銀河」に対し、今回デビューする「はなあかり」は中・短距離列車として西日本の魅力を発信する存在となりそうです。今後の展開に期待がかかります。

【了】

【これが「グリーン車」だと!?】バラエティーがスゴイ「はなあかり」内外装

Writer: 坪内政美(スーツの鉄道カメラマン)

1974年生まれ、香川県在住。いつでもどこでもスーツで撮影に挑む異色の鉄道カメラマン・ロケコーディーネーター。各種鉄道雑誌などで執筆活動をする傍ら、予土線利用促進対策協議会のアドバイザーやテレビ・ラジオにも多数出演するなど、鉄道をワイフワークに活動している。著書に「鉄道珍百景」「もっと鉄道珍百景」「駅スタンプの世界」「100万キロを走ったセドリック」(いずれも天夢人刊)がある。

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