ドローンを撃ち落す「弾なし銃」って? ウクライナ侵攻で戦い方一変 もはや“いたちごっこ”の開発競争
「対ドローン銃」なにがポイント?
こうした対ドローン銃の射程は約2kmで、約30度の角度で円錐状に無力化させる妨害電波を照射します。
この時に大事なのは、ドローンが搭載した爆弾が落下の衝撃で爆発しないように「ソフトランディングさせること」だと、TRDシステムズの社員は話します。同社は既に、車両も含めた捜索・迎撃システム一式を10台以上、タイへ販売したとしており、海外セールスにも強みを持つ会社ともいえるでしょう。
小型ドローンは2024年7月に英国で行われた「ファンボロー航空ショー」でも展示されていました。小型ドローンの開発メーカーはいわゆる、スタートアップのような新興系の企業が多い印象です。それゆえ対ドローン銃の開発側も、TRDシステムズの設立が2011年のように新興企業が多いようです。
一般的に注目を浴びることはまだ少ないのですが、今後、小型ドローンによるテロや犯罪の防止に、対ドローン銃が増える可能性は高いでしょう。そうなれば、今度は小型ドローンが回避策を向上させる可能性もあります。空をめぐる各国の争いは、新たな「いたちごっこ」の段階に入ったのかもしれません。
【了】
Writer: 島田 駿(航空・旅行ライター)
飛行機による旅行が好きで記事を書き始めた。海が好きで、羽田空港や成田空港へも時折撮影に出かける。
コメント