「え、機密情報持ったまま海外出張!?」多数の軍用機の技術が中露へ流出か? 米政府 自国企業に巨額の罰金を科す!
さすがに流出しすぎでしょ…。
アメリカの軍用機・ミサイルの多数の情報が漏洩の可能性
アメリカ国務省は2024年8月30日、輸出規制などの問題解決のため、防衛・航空宇宙企業のRTXコーポレーションが2億ドル(約287億円)の和解金を支払うことになったと発表しました。
この和解金はRTXが行っていた取引で、武器輸出管理法および国際武器取引規則(ITAR)などに違反していたケースが計750件あった問題を解決するために、支払われるものとのことです。
RTXが犯した違反は大別して「無許可の防衛物品の輸出」「機密指定された防衛物資を含む防衛物資の不正輸出」「記載された禁止目的地への従業員による手荷物による防衛物資の不正持ち込み」の3つになります。
「無許可の防衛物品の輸出」は、2017年8月~2022年8月の間に同社傘下のレイセオンが「トマホーク」巡航ミサイルや艦艇発射型対空ミサイル「シースパロー」などに関係する、本来はアメリカ政府の許可が必要な部分の部品や技術まで輸出してしまった件です。この輸出先には日本、韓国、イギリス、フランス、ドイツ、ギリシャ、イスラエル、サウジアラビアなど、アメリカの主要な同盟国が含まれます。
「機密指定された防衛物資を含む防衛物資の不正輸出」も、傘下のコリンズ・エアロスペース が中国に対し、本来機密である防衛関係の部品や物資を無許可で輸出するなどした行為で、この件が最も悪質だとしています。この問題は中国部品を輸入する過程で起きたようで、空中管制機や空中給油機に関わる技術が漏洩したと報じられています。
「記載された禁止目的地への従業員による手荷物による防衛物資の不正持ち込み」は、RTXの従業員が、ロシアやイランなど、機密情報に関わる部品やそれらのデータの入ったパソコンの持ち込みを禁止されている地域に持ち込んだ件で、現地インターネットプロバイダーを使用した過程で同社のサイバー部門がパソコンを凍結したこともあるようです。
RTXはレイセオン、コリンズ・エアロスペース、プラット・アンド・ホイットニーと、航空宇宙産業やミサイル産業にとって重要な技術を多数持っている企業を傘下に置いています。そのため、海外防衛メディアの報道によると、F-15、F-16、F-23などの戦闘機、B-52、KC-130などの大型機、さらに「エアフォースワン」ことVC-25の技術など、アメリカのほぼ全ての軍用機、ミサイルなどに関わる技術が漏洩した可能性があるとのことです。
今回の和解を受け国務省は「本和解は、国防物資の輸出は国防総省からの適切な許可を得た場合のみに限定されることの重要性を強調している」と、輸出においては適切な許可が必要であることを改めてアナウンスしました。
【了】
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