飲酒OK! 独海軍の「激レア艦」日本で積んだ食料は? ビール以外の酒も飲むの? 准士官に聞く船上の食生活

実は積み込まれている様々なアルコール飲料

「フランクフルト・アム・マイン」の積み荷のリストには、ビールのほかに「ワイン、スパークリングワイン、ウィスキー、ジン、ラム酒、リキュール」の文字もありました。いずれも、ドイツから持ってきているそうです。

 ドイツ艦隊がIPD24の一環で2024年5月にニューヨークに寄港した際には、フリゲート「バーデン=ヴュルテンベルク」の甲板で、500人の来賓を招いたパーティが催されました。その際の写真では、ビールが振る舞われた様子が見られますが、ほかのお酒は確認できません。積み荷に見られるビール以外のお酒は、いつ、どこで、誰が飲んでいるのでしょうか。答えは、とある写真にありました。

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ニューヨークに寄港した際、バーデン=ヴュルテンベルクで開催されたパーティ(画像:ドイツ海軍、(C)Bundeswehr/Julia Kelm)。

 2024年8月26日と注釈の付いた写真には、楕円形の長いテーブルに貝殻やキャンドルなどのきれいなテーブルセッティングが設(しつら)えてあり、赤ワインと白ワイン用のグラスがしっかり並んでいます。

 高解像度の写真を拡大してつぶさに眺めて見ると、テーブル中央の主賓席には「バウアーンシュミット大佐」という名前がハッキリと見て取れます。窓の外が明るいことから、おそらく東京湾で停泊中に、米軍の、空母初の女性艦長として有名なエイミー・バウアーンシュミット氏をビジネス・ランチに招いたものと見られます。その対面の席には、ドイツ第2艦隊司令官のアクセル・シュルツ准将の名前と見られる名札があります。積み荷リストに載っている様々なお酒は、こうした機会に振る舞われているようです。

 積み荷リストと写真から判明した「フランクフルト・アム・マイン」での食生活と社交の様子は、オンとオフを切り替えて、ドイツ人らしい、かなり計画的なものだということが分かりました。

【了】

【写真】艦内の食堂とワイングラスも並ぶ会食テーブル

Writer: 赤川薫(アーティスト・鉄道ジャーナリスト)

アーティストとして米CNN、英The Guardian、独Deutsche Welle、英BBC Radioなどで紹介・掲載される一方、鉄道ジャーナリストとして日本のみならず英国の鉄道雑誌にも執筆。欧州各国、特に英国の鉄道界に広い人脈を持つ。慶応義塾大学文学部卒業後、ロンドン大学SOAS修士号。

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