背中にコブがついた「珍仕様のF-35」があるだと…? ノルウェー空軍だけの特別仕様のワケ 性能落ちそうなのに

20か国で採用されているF-35「ライトニングII」戦闘機ですが、ノルウェー空軍向けのものは、胴体後部にコブが付いている特別仕様です。なぜ、このような機構が採用されているのでしょうか。

過去にもあった?「特別コブ付きのノルウェー軍戦闘機」

 ドラグシュートの操作はコックピットの計器パネル左側に取り付けられたスイッチにより行われますが、パイロットがこのスイッチを上に倒すとポッドが開き、パラシュートが展開されます。また、接地後、十分に減速したところで同じスイッチを下に戻すことによりドラグシュートを切り離すことが可能です。これは、地上で風などによりドラグシュートが機体に絡まることを防止するためです。

 ノルウェー空軍では、戦闘機が装備するドラグシュートの故障率は1万分の1以下という規定を定めています。同空軍は、F-35A用に開発されたドラグシュートはこの要求仕様を満たしていて、厳冬期のF-35着陸性能には満足していると発表しています。

 ちなみに、このシステムの開発には、オランダ空軍も1100万ドル(日本円で約15億4000万円)を拠出したと発表されていますが、システム自体は2024年8月時点では未発注のようです。なお、発注こそされていないものの、ドラグシュートはノルウェー空軍だけでなく、オランダとデンマーク空軍のF-35Aでも搭載が想定されているとのことです。

 ノルウェー空軍では過去にF-16戦闘機を導入した時にもドラグシュートの装備を要求しました。そのためこの機でも、垂直尾翼の付け根にドラグシュートを収容するケースが追加されています。同軍にとってこの装備は、いわば長年のあいだ「必需品」というわけです。

 なお、航空自衛隊のF-2もノルウェー空軍のF-16と同じ手法でドラグシュートが搭載されています。ただ、航空自衛隊のF-35Aは50機近くもの機数が導入されているにもかかわらず、いまのところドラグシュートを搭載する計画はないようです。

【了】

【写真】ほんとにコブ付きだ…これが「ノルウェー空軍のF-35」全貌です

Writer:

航空評論家、各国の航空行政、航空機研究が専門。日本オーナーパイロット協会(AOPA-JAPAN)元理事

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