75分が“10時間”に!? 破滅的な「コストコ渋滞」なぜ起きたのか 沖縄初出店1か月も混乱続く

逃げ道ナシ!? ならば解決策は

 一方、北側の森を北東方面から回り込むルートは、直線距離で1km足らずのところを(クルマがすれ違えないような激狭の道を使わないとすれば)海岸線を回り12km以上走る必要があり、ふつうの感覚では選択の対象にならないのです。

 そしてさらにこの渋滞に拍車をかけるのが、店舗のすぐ北側で行われている高規格道路「南部東道路」の建設工事です。この工事がなければ、店舗に用事のないクルマは(善し悪しは別として)店舗の西側の住宅地内を抜けて通過することができました。しかし現在、それらの道には「工事通行止め」の看板が立てられ、クルマの進入を拒んでいます。

 そのため、通過交通も混雑する県道86号と137号の重複区間、親慶原-垣花を走らざるを得ないのです。

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 では、この渋滞の解消策はあるのでしょうか。すぐの実行が可能かどうかは別として、そのひとつは駐車場の増設でしょう。

 前述のように沖縄南城倉庫店の駐車場設置台数はコストコとしては標準的ですが、他の店舗では周辺道路が片道2車線以上で、駐車場待ちの列があっても他のクルマが通過できることが一般的です。

 しかし同店舗の周辺道路は片側1車線で、路肩の余裕もありません。道路の拡幅は時間もコストもかかることから、特効薬となりえないことは明らかです。となると、店舗を目指して来訪したクルマが路上にあふれないよう、十分な量の駐車場を用意するのが早道と考えられます。

 ただしコストコは「大量に買った商品を、カートに入れてクルマに運ぶ」というスタイルの店舗ゆえ、店から“歩いて行ける範囲”の離れた場所に駐車場を作っても、利用にはつながりにくいのが難点です。現在の駐車場を立体化する、新たに土地を確保するなど、買い物客と店舗、そして地域の関係者のそれぞれが納得できる解決策を見出してほしいと思います。

【了】

【全く動かない!】これが「絶対に渋滞する」コストコの立地です(地図/写真)

Writer: 植村祐介(ライター&プランナー)

1966年、福岡県生まれ。自動車専門誌編集部勤務を経て独立。クルマ、PC、マリン&ウインタースポーツ、国内外の旅行など多彩な趣味を通し積み重ねた経験と人脈、知的探究心がセールスポイント。カーライフ系、ニュース&エンタメ系、インタビュー記事執筆のほか、主にIT&通信分野でのB2Bウェブサイトの企画立案、制作、原稿執筆なども手がける。

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