「JASのジャンボ」なぜポシャった? 国内3大航空“みんなジャンボ”だったら歴史変わってたかも!?

もし「JASの747」実現なら気になる点

 しかし、ひどくなる一方の景気低迷に抗えず、JASはわずか1年後に経営改善計画を発表します。格納庫などの建設計画は延期し、同時に6機にまで増やした747-400の導入も延期。結果として双発機777の7機導入へ変更したのです。こうして777が727に続く3社共通の機種となりました。

 結局、JASは747-400を導入することはなく、2001年9月の米国同時テロによる世界的な旅客需要の落ち込みを受け、JALと経営統合し今に至ります。

 ちなみに実はJASの標準塗装であった紺とオレンジの「レインボーカラー」は、実は後年ボーイングの大きなライバル企業となるエアバスから“贈られた”ものです。というのも、JASの前身であるTDAは、国内で初めてエアバス機を導入した会社だったためです。

 そういった元エアバス塗装だったことが直接的に関係しているかどうかは定かではありませんが、結果的にJASは777の導入時に機体塗装を公募で募り決め、標準塗装とは大きく異なるデザインとなりました。もし747-400が予定通り導入されていたとしたら、どのような塗装をまとったのかはファンとして気になるところです。

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JALのボーイング747-400(画像:JAL)。

 また、777ではエコノミー席から1000円の追加料金でアップグレードできる画期的なサービス「レインボーシート」が導入され、それが現代のJAL国内線の人気席「クラスJ」に引き継がれたとされています。

 仮に747-400が導入されていれば、777より大型である特徴を生かし、JASがもっと違うアイデアを盛り込んだ結果、現代の国内航空会社のサービスにおける常識は、少し違っていたかもしれません。

【了】

【写真】革新的! これが「JASの777」に施されたド派手塗装です

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