「『ホンダジェット』の作り方ちょっと変えました」なぜ? 謎の「工場の配置変更」…目的は
やっぱり新機種が「生産ライン変更」に関係?
筆者がホンダ・エアクラフト・カンパニーに聞いたところ、予想通り「『エシュロン』を見据えた生産ラインの変更」とのこと。「工場内のレイアウトを変更し、『エシュロン』の(生産)ラインを設置するスペースを設け始めている」との回答がありました。
しかし、変更は具体的にいくつあったのか、どこに「エシュロン」の生産ラインを設けるのかまでは明らかになりませんでしたが、Xにあげられた動画は実際に奥の方に機体のないスペースが見えます。
新型機の登場に際しては、まず試作機がつくられます。試作機は実際の生産ラインに乗せる前につくられることから、作業スペースは単独で限られた区画になると考えられます。もしかしたら、動画にある機体のないこのスペースが「エシュロン」の試作機用に割り当てられるのかもしれません。
こればかりは筆者の想像ですが、今回、ホンダ・エアクラフト・カンパニーが生産ラインの準備を公表したことは、2026年の初飛行へむけ、「エシュロン」の開発が着々と進んでいることを示唆するものといえるでしょう。
ちなみに「ホンダジェット」の生産ラインは、8つの工程に分かれており、ひとつの組み立て工程が終わった機体は、そこからひとつ前にレーンに進み、次の組み立て作業に移行するという方式が繰り返され、つくり上げられます。このほかに、主翼各部の組み立てや塗装などの工程も別にあるということです。
【了】
Writer: 相良静造(航空ジャーナリスト)
さがら せいぞう。航空月刊誌を中心に、軍民を問わず航空関係の執筆を続ける。著書に、航空自衛隊の戦闘機選定の歴史を追った「F-Xの真実」(秀和システム)がある。
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