「品川の南にあるのに“北品川”」的な駅、実は多い!? 「地名と駅名は違う!」勘違いの悲劇が
「東●●」が「●●のすぐ近く」だと思っていると痛い目に
「東西南北+地名」の駅が、本家の駅から“かなり離れている”ケースも多々あります。
東中山駅(千葉県・京成本線)
東中山駅は千葉県船橋市に所在し、周辺には京成中山駅、下総中山駅、原木中山駅など「中山」を名乗る駅が複数あります。ところが、首都圏でそのものズバリの中山駅は、遠く離れた神奈川県横浜市で、JR横浜線と横浜市営地下鉄グリーンラインが乗り入れる駅です。
もし「中山」という地名だけで神奈川県民と千葉県民が話をすると、それぞれ横浜市と船橋市をイメージしてしまい、やりとりがちぐはぐになってしまうかもしれません。ちなみに中山駅は高知県のとさでん交通伊野線にも存在します。
南大塚駅(埼玉県・西武新宿線)
大塚駅は、JR山手線で、メジャーでもマイナーでもない、わりと中間的な存在の駅で、東京に唯一残る都電、荒川線との乗り換え駅でもあります。ところがその荒川線で大塚駅から南に進んでも、南大塚駅はありません。
じつは南大塚駅は遠く離れた埼玉県川越市、西武新宿線の本川越駅の隣にあります。周辺住民や利用者以外への知名度が高いとはいえない存在です。知り合った人に住んでいる場所を聞いて「南大塚です」と言われた場合、「23区内の良い場所に住んでるんだなぁ」と勘違いするかもしれません。
ちなみに、JR大塚駅は「豊島区南大塚」に所在。その大塚駅の南にある東京メトロ丸ノ内線の「新大塚」駅は、「文京区大塚」にあります。
東小金井駅(東京都・JR中央線)
東京都小金井市にふたつあるJR駅のうち、東に位置するのが東小金井駅です。
では西側にあるのが“本家”の小金井駅だと思いがちですが、じつはそこにあるのは武蔵小金井駅。小金井駅はまったく別のところ、栃木県下野市にあるJR宇都宮線の駅なのです。
これだけなら「遠隔地にある似通った駅名」というだけですが、問題は東小金井駅にはJR中央線、そして小金井駅にはJR宇都宮線(上野東京ライン/湘南新宿ライン)という、いずれも東京駅、新宿駅を発着する路線が走っていることです。
東京に不慣れな人が東小金井駅を目指し、うっかり「小金井行き」という案内を頼りに東京駅からの東京上野ライン、新宿駅からの湘南新宿ラインに乗ってしまうと、東小金井駅まで戻るのに2時間近くかかるという悲劇に見舞われてしまいます。
※ ※ ※
このように地名に「東西南北」を冠する駅は、もともとの地名の駅のすぐ隣にばかりあるわけではなく、ときには別の地域の、名前以外はまったく関係ない駅だったりします。利用の際は注意しましょう。
【了】
Writer: 植村祐介(ライター&プランナー)
1966年、福岡県生まれ。自動車専門誌編集部勤務を経て独立。クルマ、PC、マリン&ウインタースポーツ、国内外の旅行など多彩な趣味を通し積み重ねた経験と人脈、知的探究心がセールスポイント。カーライフ系、ニュース&エンタメ系、インタビュー記事執筆のほか、主にIT&通信分野でのB2Bウェブサイトの企画立案、制作、原稿執筆なども手がける。
あのー、南大塚は急行停車駅なんですが。
西武新宿線の急行は田無以遠各駅停車なので。
通勤急行や特急と勘違いなさっていませんか。
ご指摘ありがとうございます。修正いたしました。