海保の無人偵察機に「吊り下げる謎のハコ」公開 武器?燃料タンク? 市民生活に直結する「意外な使いかた」とは
「成層圏の基地局」はどうなった?
携帯大手のソフトバンクは現在、大規模災害の発生時に地上の携帯電話基地局が損害を受けた際には、中継装置を搭載した気球を使用する「係留無線中継システム」にて、ソフトバンクとY!モバイルの通話やデータ通信を可能にしています。
この係留無線中継システムは4~5人の要員で設置できますが、天候の影響を受けやすいという問題もあります。
このためソフトバンクは、貨物搭載量こそ有人航空機に比べれば小さいものの、数十日から数か月程度飛行できる高高度滞空型無人航空機(HALE:High Attitude Long Endurance)に電波中継機材を搭載して大災害発生時の臨時携帯電話基地局とすることを志向しています。
同社はHALEを活用した成層圏通信プラットフォーム(HAPS)を確立すべく、2017年12月に新会社のHAPSモバイル(現在は親会社のソフトバンクに吸収合併)を、アメリカの無人航空機メーカーのエアロヴェイロンメントと合弁で設立し、エアロヴェイロンメントの開発したHAPSに電波中継機材を搭載してテストも行っています。
HALEは前に述べた気球などに比べて気象の影響を受けにくく、これまでの人力に依存した作業に比べて早期に携帯電話を復旧することもできます。同様の構想はソフトバンク以外の携帯電話会社も持っているようなので、将来的にはHALEを大規模災害発生時の臨時基地局とするのは有望だと筆者は思います。
しかしHALEを臨時携帯電話基地局とするには、技術面などでクリアしなければならない点が多いのも事実。そこで実績のあるMQ-9Bに、携帯電話の臨時基地局ポッドを搭載するという発想が浮上してきたというわけです。
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