時代は「無人機空母」へ? 加速する艦載型無人機の開発競争 「いずも型にいいですよ!」売り込みも
イギリスの最新鋭空母で、アメリカの無人機が艦載型の発着艦試験に成功。ウクライナで実績を挙げたトルコのメーカーも新型の初飛行に成功しました。艦載型無人機の開発競争が過熱し、「無人機空母」が現実味を帯びてきています。
英の最新鋭空母で無人機運用に成功
イギリス海軍は2023年11月17日、クイーン・エリザべス級空母の「プリンス・オブ・ウェールズ」で、ジェネラル・アトミクス・エアロノーティカル・システムズ(GA-ASI)が開発したUAS(無人航空機システム)の実証機「モハベ」の発着艦試験に成功したと発表しました。
発着艦試験は11月15日に、アメリカ東海岸沖を航行する「プリンス・オブ・ウェールズ」で行われました。モハベは「プリンス・オブ・ウェールズ」艦内の管制ステーションから操縦され、旋回飛行などを行った後、無事同艦に着艦しています。
モハベはアメリカ陸軍が運用しているUASのMQ-1C「グレイイーグルER」の電子機器と飛行制御システムを活用して開発されたUASです。形状はMQ-1Cに相似していますが、開発にあたってはSTOL(短距離離着陸)性能と兵装搭載量の増加に重きが置かれており、GA-ASIはモハベを発表した2021年12月の時点で、モハベを空母で運用する可能性について言及していました。
他方、イギリス海軍は低空を飛行する脅威やミサイルに対する艦隊防空訓練用の訓練支援機として「ホークT1」練習機を使用していましたが、ホークT1は老朽化のため2022年末で退役しています。
このためイギリス海軍は2021年9月にやはり「プリンス・オブ・ウェールズ」で、イギリスのキネティックが開発した双発のジェット標的機「バンシージェット80+」が艦隊防空訓練にどのように利用できるかの評価試験を行っています。
この試験でバンシージェット80+は、「プリンス・オブ・ウェールズ」の飛行甲板に設置された空気圧式カタパルトから射出されていますが、今回の試験に使用されたモハベはカタパルトを使用せずに発艦しており、STOL性能の高さを実証したと言えるでしょう。
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