マジで文字通りの「海に浮かぶ空港」設計案、なぜ実現せず? 実際に機体を発着させたものの
巨大な鉄の浮き箱を空港とする工法「メガフロート」は、国内で何度か話題になったことがあり、実際に制作され、航空機が発着したこともあります。なぜ実現できなかったのでしょうか。
関西空港建設がきっかけで…
空港を海上に建設する手段として、「メガフロート(超大型浮体式構造物)」と呼ばれる手法が話題になったことがあります。一見して巨大な鉄の浮き箱で、スクリューを付けると空母になりそうな構造物、これを空港とするという案です。
実は過去に、神奈川県横須賀市沖で滑走路に見立てたメガフロートが作られて、実験も行われたことがあります。
メガフロートは巨大な鉄の箱を海上にいくつも浮かせて係留し、滑走路や駐機場をつくる手段です。「メガ(巨大)」が付かない浮き箱は桟橋などで既に使われていますが、航空機を発着させることができる浮体構造物まではありませんでした。
メガフロートが注目されたのは、1987年に建設が始まった関西空港です。当時、メガフロートは埋め立てによる地盤沈下を心配することもなく、海洋環境への負担も抑えられると考えられていました。また、当時は造船不況に見舞われていたことからも、新たな事業分野を開拓できると造船関係者から期待されました。
ただ最終的に、関西空港は埋め立てる形でつくられることに。こうして「メガフロート」は忘れられたかに思われました。
ところが、2010年に供用開始となった羽田空港のD滑走路建設で、この案が再び注目を集めることになります。この時は、工事の受注へ向けて、メガフロートが実際につくられ、そこで航空機の発着実験が行われました。
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