もう日本に来ません! アジア唯一のA-10攻撃機ついに「サヨナラ」米軍からの完全退役も近い?
世界の空から消えるのも間もなくか?
じつはアメリカ空軍は今回の在韓米軍の機体だけでなく、すべてのA-10を今後数年以内に退役させる予定です。
A-10は湾岸戦争やアフガニスタン紛争、イラク戦争で多くの戦果を上げた攻撃機です。しかし、対地攻撃に特化した設計のため飛行速度が遅く、敵戦闘機や対空ミサイルなどの迎撃には脆弱です。
今後発生するかもしれないロシアや中国といった大国の正規部隊との戦闘では、無数の防空兵器による迎撃が想定され、そのような状況下ではA-10が攻撃機としての能力を発揮できないだけでなく、機体が無事に飛び続けることすら難しくなると考えられています。
こうしたことからアメリカ空軍ではA-10を完全退役させて、その予算や人員を最新ステルス戦闘機F-35「ライトニングII」や新しい装備品の調達・運用に回すことを決めました。退役の具体的なスケジュールはまだ発表されていませんが、アメリカ空軍省の長官は連邦議会の公聴会において「2028年から2029年のあいだ」と説明していることから、2030年までにはアメリカ空軍からすべてのA-10が退役すると思われます。
アメリカ国内メディアの報道によると、退役後のA-10を他国に輸出して活用する案も検討されており、2030年以降もこの機体が飛び続ける可能性もゼロではないようです。しかし、日本周辺で活動するA-10飛行隊がなくなるのは決定事項であるため、まもなく日本でも見られなくなるのは間違いないようです。
【了】
Writer: 布留川 司(ルポライター・カメラマン)
雑誌編集者を経て現在はフリーのライター・カメラマンとして活躍。最近のおもな活動は国内外の軍事関係で、海外軍事系イベントや国内の自衛隊を精力的に取材。雑誌への記事寄稿やDVDでドキュメンタリー映像作品を発表している。 公式:https://twitter.com/wolfwork_info
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