「サンライズ」に喫煙個室は必要か? もはや唯一の“タバコが吸える列車” 匂いの影響を調べてみると意外な点が

東京~高松・出雲市間を結ぶ寝台特急「サンライズ瀬戸・出雲」。2024年現在、唯一の「喫煙できる列車」でもあります。喫煙個室寝台の居住環境は、どうなのでしょうか。

24番個室は禁煙に改めよ

 特に問題なのは、禁煙室である23番個室を予約した場合です。23番個室は車両の中央部で最も乗り心地に優れますが、向かい合う24番個室が喫煙室であるため、24番個室の乗客が喫煙者だった場合は、喫煙室と変わらない環境となります。

 乗車時間が長い寝台列車において、喫煙可能箇所があることはやむを得ないと思うのですが、「シングルデラックス」の24番個室については、23番個室が禁煙である意味がないため、すぐにでも禁煙室に改めるべきだと強く提言します。

 逆に、喫煙室でも24番個室を予約できた場合は、向かい合う23番個室が禁煙室であるため、実質禁煙室となります。ですから「シングルデラックス」については、タバコが苦手な人でも予約時に「禁煙室縛り」はせず、24番個室が取れたならそのまま乗車すればよいでしょう。

 なお「サンライズ」の「ソロ」「ノビノビ座席」は禁煙設備のみのため、タバコの心配をする必要はありません。

 まとめとして、喫煙車や喫煙可能な個室は時代に合わないと感じます。列車内に喫煙ルームを設け、個室内での禁煙は禁止にすべきではないでしょうか。喫煙ルームを設ければ、禁煙設備しかない「ソロ」「ノビノビ座席」の乗客も喫煙できる利点もあります。

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指定席特急料金のみで利用可能な「ノビノビ座席」は禁煙(安藤昌季撮影)。

 そこで、5・12号車のトイレを喫煙ルームに変更してはいかがでしょうか。このトイレは客室とは離れた位置にあり、また隣接車両にもトイレがあるので、喫煙室への変更の影響は最小限です。編成の中央に近く利便性に優れ、定員への影響がない利点もあります。

 特に学校の休み期間は多くの子どもも乗車する超人気列車ですから、喫煙者との棲み分けは必要だと思います。

【了】

【写真】超人気でまず取れない!! 2人用個室とは

Writer:

ゲーム雑誌でゲームデザインをした経験を活かして、鉄道会社のキャラクター企画に携わるうちに、乗りものや歴史、ミリタリーの記事も書くようになった乗りものライター。著書『日本全国2万3997.8キロイラストルポ乗り歩き』など、イラスト多めで、一般人にもわかりやすい乗りもの本が持ち味。

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