25年ぶりに復活の「ANAイタリア線」実はポテンシャルスゴい!? 社長に聞く今後の展望、路線継続のカギは?
ANAが2024年12月より、新路線「羽田~ミラノ線」を開設しました。同社にとってイタリアへの定期旅客便乗り入れは約25年ぶりのことです。これにあわせ、同社の井上慎一社長がミラノ現地で報道陣のインタビューに応じています。
毎日運航にしないの?実現のカギは
このような羽田~ミラノ線ですが、現状は火・木・日の週3往復。毎日運航でスタートさせなかった経緯を、井上社長は次のように話します。
「ビジネス利用の方にとっては、デイリー運航(毎日運航)が必要であることは承知しています。ただ、コロナも終わり、海外の航空会社が供給量を増やすなかで、毎日運航にこだわっていると競争に劣後することも予想されます。またお客様も戻ってきていますので、まずはご期待にお応えするという意味で、週3往復でまず始める方針となりました。とはいえ、早くデイリー化したいと考えています」(井上社長)
そして、毎日運航化を果たすポイントについて井上社長は、「私どもがコントロールできない部分だと、(ロシアとウクライナの戦争により)ロシア上空を飛ぶことができないので、乗員をもう一人必要になるという制約があります。そして、まずは需要ですね。潜在需要を顕在化していくことがデイリー化の鍵だと思います」とコメントし、需要喚起策については次のように話します。
「ミラノには見逃している魅力はまだまだあります。たとえばファッションブランドについては、このブランドを着けることで、自分を元気するという考え方を持つ方もいらっしゃいます。そういった方に対して、ブランドごとの独特の世界を体験していただくという試みもあります。また、デザインも非常に優れており、いろんな活動があります。そういった取り組みを日本のみなさまに広くご紹介することで需要を喚起していきたいと思います」(井上社長)
「イタリアは親日国といった印象を私は受けており、ほかのヨーロッパ諸国と少し違う土地だと思っています。イタリアの方の感覚も日本と近い印象を持っている――といったイタリア人のお客様もいらっしゃいました。そういった意味でミラノは『安心できる旅行先』であることをアピールしていきたいと思います」(井上社長)
なお、今回のミラノ線就航を皮切りに、今後同社では欧州に新路線を相次ぎ開設させる予定です。直近では2025年1月にスウェーデン・ストックホルム線、2月にトルコ・イスタンブール線の就航が計画されています。
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