米海軍虎の子の「ステルス艦」新兵器を装備の改修終える でも「弾なし」状態はまだ続く!?

改修を終えて艦隊復帰に向けた準備を開始。

改修を終え新たな能力を得る…しかし!?

 アメリカの造船会社であるハンティントン・インガルス・インダストリーズ(HII)は2024年12月6日、ズムウォルト級駆逐艦の「ズムウォルト」が、改修を終えてドックから出たと発表しました。

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ズムウォルト級駆逐艦(画像:アメリカ海軍)。

「ズムウォルト」は2023年8月から、インガルス造船所で改修を受けています。同艦は元々、2016年にレーダーに映らないステルス性を備えた駆逐艦として就役しました。

 当初は、そのステルス性を活かした地上支援を行う想定で、主砲に155mmAGS(先進砲システム)という独自の砲塔を2基装備していました。しかし同砲専用に開発された、GPSと慣性航法装置による誘導とロケット補助推進式の LRLAP(長射程対地攻撃砲弾)という砲弾が、最終的に1発1億円以上と巡航ミサイル並みの値段になることが見込まれたため、調達もキャンセルとなってしまいました。

 そのため今回の改修で、2016年の就役以来「弾の撃てない艦」となっていた同艦の砲塔を取り外し、極超音速ミサイルの発射台が取り付けられました。極超音速ミサイルとは音速の5倍以上の速度で飛行する兵器のことで、迎撃が非常に困難とされています。

 ズムウォルト級では、開発中の「通常型即時攻撃 (CPS)」という音速の7~8倍で飛行する極超音速ミサイルの発射台が計4台取り付けられており、1隻あたり計12発のミサイルの発射能力を有する予定となっています。

 なお、同艦はまだドックから出ただけで、これから艦隊復帰に向けた試験が行われるとのことです。実はCPSもまだ完成しておらず、以前の報道でアメリカ海軍は、早ければ2027年に「ズムウォルト」の艦上でのCPS発射実験を行いたいと明かしています。つまり「弾なし」状態はこれからまだしばらくは続く見込みです。

【ついに海に戻る!】これが、改修を終えたステルス艦です(写真)

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