ドイツ戦車の「ボコボコ」何のため? 疑心暗鬼の“労作” 最後は意味ナシって気付いちゃった!

第二次大戦末期、劣勢のドイツ軍が僅かな望みに賭け反攻作戦を行いました。いわゆる「バルジ作戦」です。この戦場に投入された「ティーガーII」を始めとしたドイツ戦車は装甲表面が波打っていますが、どんな意味があったのでしょうか。

皮肉にも多用したのは日本のみだった…

 しかし、結果からいうと、この「ツィンメリット・コーティング」は特に必要ありませんでした。なぜなら、米英軍だけではなくソ連軍も磁石吸着式の対戦車地雷は使わなかったからです。

 使われなかった大きな理由として、この対戦車地雷を設置するまでがかなり危険だった点があげられます。

 戦車装甲に貼り付けないと効果がないため、敵戦車のゼロ距離まで近づく必要がありました。そうなればもちろん、戦車が搭載する機関銃はもちろん、周囲で行動を共にしている歩兵にも狙われるため、地雷を設置した後、爆発する前に離脱するのは至難の業です。攻撃を行う歩兵は「必死」ではありませんが「決死」の覚悟が必要でした。

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アメリカ海兵隊が威力を調査中の日本軍の九九式破甲爆雷。この対戦車兵器も磁力を使ったものだった(画像:アメリカ海兵隊)。

 そうした人命のリスクを抑えるべく、米英軍では、同じく成形炸薬効果を理由しているものの、投射兵器である「バズーカ」や「ピアット」を使いました。これらの兵器には「ツィンメリット・コーティング」は意味がなく、わざわざ表面をザラザラするのも時間もコストもかかることから、わずか1年後の1944年9月に塗布が中止されることなります。

 なお、ドイツですら「ツィンメリット・コーティング」塗布が中止された頃には、対戦車兵器として吸着地雷はほぼ使わなくなっており、遠距離から攻撃可能な投射兵器である「パンツァーファウスト」をメインの対戦車火器に据えていました。

 皮肉なことに磁力による吸着地雷を第二次世界大戦終結まで最も多く使った軍隊は、ドイツの同盟国で対戦車投射兵器の開発が遅れていた旧日本軍でした。

 ちなみに、かつてプラモデルなどで、この「ツィンメリット・コーティング」を再現する場合は、パテを表面につけ、カッターノコギリの刃で模様をつけるという、とてつもない手間をかける必要がありました。しかし、2024年現在はパテで行う場合でも専用のローラーが売られているほか、「ツィンメリット・コーティング」のパターンを施したデカール(水転写のシール)なども販売されているため、かなり楽に再現できるようになっています。

【了】

【すっごいデコボコ!】コーティングされた「ティーガーII」接写してみた(写真)

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ミリタリー、芸能、グルメ、自動車、歴史、映画、テレビ、健康ネタなどなど、女性向けコスメ以外は基本やるなんでも屋ライター。一応、得意分野はホビー、アニメ、ゲームなどのサブカルネタ。

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