遂に消滅!「日本のトロリーバス」でも今も現役の街あります トラブルも「ならでは」で楽しい!?
北米で発達した理由
筆者(大塚圭一郎:共同通信社経済部次長)は、北米の西海岸でトロリーバスに乗車した経験があります。今でも、北米地域ではアメリカのサンフランシスコとシアトル、そしてカナダのバンクーバーに残っていますが、これら3都市のトロリーバスに共通するのは1930~40年代に営業運転が始まっている点でしょう。これには共通した理由があります。
3都市とも、それ以前は路面電車が走っていたものの赤字が深刻化しており、整備や維持などのコストを抑えられるとしてトロリーバスに置き換えられました。
この3都市のなかで唯一カナダにあり、かつ同国で唯一トロリーバスが走っているのがバンクーバー都市圏です。ここは1948年に運行を開始し、1955年には全廃された路面電車を置き換えました。
運輸当局トランスリンクによると、2023年時点のトロリーバスは262台と、北米ではサンフランシスコに次いで2番目の規模を誇ります。運行されているのは、主にバンクーバー中心部を発着する13系統で、その距離は延べ約315kmにもなります。
使っているのはカナダのバスメーカー、ニューフライヤー・インダストリーズが製造した全長12.2mの「E40LFR」と、全長18.3mの連節バス「E60LFR」。ともに低床車で車いすやベビーカーの利用者でも乗り降りしやすいのが特徴です。
なお、運行元のトランスリンクによると、平日1日あたりの利用者数は延べ10万人を超えるとしています。
トランスリンクのケビン・クイン最高経営責任者(CEO)は「トロリーバスはバンクーバー都市圏の気候変動対策の極めて重要な部分となっている」と話します。
他にアメリカのシアトルでは1940年にトロリーバスが営業運転を始め、現在はキング郡交通局が運行しています。
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