【日本の高速鉄道 その誕生と歴史】第2回「戦時色に染まった弾丸列車計画」

東海道新幹線開業50周年を記念し、どのようにして新幹線が計画され、開業に至ったのかを振り返ります。第2回は「戦時色に染まった弾丸列車計画」です。

戦時下の鉄道輸送と弾丸列車計画

 話は弾丸列車計画から少し遡りますが、昭和6年(1931年)に満州事変が勃発し、その翌年、現在の中国東北部に満州国が成立します。これにより、南満州鉄道は営業キロを格段に伸ばし、昭和9年(1934年)には、有名な特急列車「あじあ号」の運行が開始されるに至りました。このとき満鉄の理事には、戦後新幹線の開業に大きな役割を果たす、十河信二がいました。

 この頃になると、日本本土から満州へと渡る輸送需要が増加し始め、そして昭和12年(1937年)、盧溝橋事件を発端として、日本は中国との戦争状態へと突入しました。当初から日本軍はこの戦いを有利に進め、大陸への進軍は加速していきます。同時に国内も軍需景気に沸き、その大動脈である東海道本線・山陽本線の輸送力は、軍需輸送の増加も併せ、いよいよ限界に近づいていきます。

 こうした背景を受け、昭和13年(1939年)鉄道省内に勅令による鉄道幹線調査会官制が公布され、鉄道幹線調査委会が発足、東海道・山陽本線の輸送力増強に関する具体的な調査が行われました。

 その結果、広軌(標準軌)別線による線増を行い、輸送力の強化を図ることになりました。

 当初は在来線に合わせて狭軌別線で新線を敷く案もありましたが、陸軍から“より高速で走れ、高い輸送力を求む”という強い希望もあり、標準軌を採用することになりました。この計画は、世間から弾丸列車計画と呼ばれるようになります。

 またこの計画には、将来的に下関~釜山の間へ海底トンネルを通し、東京~朝鮮~満州を通り北京まで直通運転を行おうという、壮大な計画があったことも付け加えておきます。

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