京急 空港線の輸送力増強を検討 切り札「引き上げ線」とは

2020年の東京オリンピックなどを念頭に、羽田空港アクセスを強化する動きが活発化。JR東日本が強力な新線案を発表し、迎え撃つ京急も輸送力増強のため「引き上げ線」の新設を検討しています。引き上げ線でどう輸送力が増強されるのでしょうか。

折り返し運転で時間を要している現状

 羽田空港へのアクセス路線を持つ京急は、2020年に開催される東京オリンピックなどを念頭に輸送力を増強するため、京急空港線の終点である羽田空港国内線ターミナル駅に「引き上げ線」の新設を検討しています。

 これにより1時間あたりの運行本数を現在の12本から15本程度に増やすことができ、輸送できる乗客も1万2000人から1万5000人にアップする見込みです。

 なぜ引き上げ線を設けると、輸送力が上がるのでしょうか。

 この引き上げ線がない現在の京急の羽田空港国内線ターミナル駅では、到着した列車は次のような流れで折り返していきます。

列車「A」が終点の羽田空港国内線ターミナル駅に到着。

先頭にいた運転士と最後尾にいた車掌が入れ替わる。

出発の準備をする。

列車「A」が発車。

空いたホームに列車「B」が到着。

 運転士と車掌が移動しなくてはならないこと、出発の準備が必要なことから、折り返し発車するまでに一定の時間が必要です。またそうした準備を終えて列車が発車し、ホームが空くまで、次の列車は駅に到着することができません。つまり折り返し運転のため列車がホームをふさいでいる時間が長く、列車を増発しにくいというわけです。

 羽田空港国内線ターミナル駅には1番ホームと2番ホームがありますが、運転本数が既に多いため、2本のホームを使っても上記の理由などからこれ以上の増発が難しい状況になっています。

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コメント

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3件のコメント

  1. >運転士と車掌が移動しなくてはならないこと、出発の準備が必要なこと 
     
    わけわからん。今まではネックとなるその作業を右線・左線で半数ずつ分担してきたけど改造後は全便「引き上げ線」1箇所のみでやらなきゃならなくなるんだろ? 制約条件が余計タイトになるようにしか聞こえないんだが何故それを改善と言えるんだろ

    • システムとしては品川駅と同様にしようということ。

      客扱いを終えた列車を引上線に移動させることで、空いたホームに後続列車が入線できるので列車本数を増加できる。(ホーム2編成と引上線1編成なら3編成処理できる駅になる)

      交替乗務員を引上線に待機させておけば移動時間も減少する。(次の列車が引上線に移動してくるまでに先着列車の乗務員が編成前後の移動をする)

      そういうことでしょう。

  2. 京急は高架化の際設計を間違えた。京急蒲田駅は北にずらして空港線と方向別で直通が可能な配線にすべきだった。この場合、隣の梅屋敷駅と間が短くなるので両者を統合する。反対に雑色駅との間は長くなるが、もともとこの区間には戦災で焼失した出村駅があった。これを復活させて横浜方面の羽田空港直通電車が方向転換せずに往来可能なよう、とどのつまり瀬戸大橋線や京葉線の西船橋のようなデルタ形式の配線をつくるべきであった。駅名は各々「蒲田梅屋敷」「蒲田出村」とすればよい。本線の空港に行かない快速特急は下りを蒲田梅屋敷、上りを蒲田出村に停車するよう振り分ければよい。