実は「運用コストは高い」のになぜ? ANAグループの機体の「3割」が”買わずに借りている”理由 使い方の丁寧さも追い風に
こんなところでもジャパンクオリティが…。
95機がリース機
ANA(全日空)やピーチを傘下に持つANAホールディングスでは275機の航空機を保有しています。同社が2025年6月に開催した株主総会での説明によると、そのうちの3割にあたる95機が、自社で保有しているのではなく、専門業者などから借り入れる「リース機」なのだそうです。実は同社によると、運用コストはリース機の方が割高なのだとか。にもかかわらず、なぜリース機を一部で導入しているのでしょうか。

同社の幹部によると、リース導入のメリットはそのときの航空需要に応じて、機体数を減らす、もしくは高需要期であれば返却時期を延長することで、多くの機数を確保できる柔軟性が担保されていることなのだそうです。
同社が2025年4月に公開した決算資料によると、2024年度期末時点では、大型のボーイング777は21機が自社保有なのに対しリース機が9機、中型のボーイング787は自社保有76機に対しリース10機と少数派にとどまります。その一方で、150席~200席クラスのボーイング737は自社保有26機に対しリース13機、エアバスA321/320(ピーチ含む)については自社保有は11機のみで、62機がリースとなっています。
いわゆる比較的小さなジェット旅客機でリースが多くなっているわけですが、ANAはとくにこのマーケットにおいて、価格面などで良い条件で機体を取得しやすい環境下にあるそうです。「このあたりの機材についてはマーケットが潤沢で競争がアクティブです。そのためリース利用率も非常に競争力の高いところでリースを取れます。また、私たちの飛行機の使い方が丁寧という評価を受けており、これも良い状況につながっています」(同社幹部)
なお、ANAによると、同社でリース導入されている機体は、他社で使われたものではない”新造機”であることを基本にしているとのことです。
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