「東北」は別の意味 台湾人観光客誘致を図るJR東日本の戦略
2014年11月に台北で「第22回台北国際旅行博(ITF2014)」が開催され、日本の企業、団体も多く出展しました。ただ台湾からの来日客数は現在、過去最高を記録していますが、そこには課題もあるといいます。どのようにしてさらなる訪問客を獲得していくか、JR東日本にその戦略を聞きました。
日本と台湾における「東北」の違い
訪日外国人客数が過去最高のペースになっている2014年。台湾からの訪日客数も、2013年2月から20ヶ月連続で各月の過去最高を記録しています。2014年1~9月における国別の訪日外国人数は、台湾が212万900人でトップです(日本政府観光局(JNTO)の資料による)。
そうした状況のなか、2014年11月7日から10日まで台湾の台北世界貿易センターで「第22回台北国際旅行博(ITF2014)」が開催され、観光や交通に関係する日本の企業、団体が数多く参加。さらなる訪問客を獲得するため、その魅力をアピールしました。
ただJTB総合研究所が2013年に発表した「韓国、台湾からの訪日旅行(インバウンド)に関する調査」によると、台湾人訪日客が「次回、日本で特に行ってみたい場所」として33.3%の人が「北海道」を挙げて1位。次いで「東京」19.5%、「京都」13.5%、「大阪」7.1%、以下「沖縄」「名古屋」「ディズニーランド」「九州」「神戸」と続き、10位の「黒部」が1%。台湾人に人気の場所は、特に北海道と大都市へ集中しているといえるでしょう。
「ITF2014」に出展した関東甲信越、東北地方で事業展開するJR東日本は、「『日本の東北』について知っていただかねばならない」といいます。台湾で「東北」というと中国の東北部がイメージされる場合が多く、「日本の東北」についてはあまり明確なイメージが持たれていないそうです。
北海道は雪景色や温泉といった要素から、台湾で高い人気があります。しかし日本でそれを楽しめるのは北海道だけではありません。「東北の雪景色や温泉は我々の大きなセールスポイントですし、台湾のお客様は『食』も日本観光の大きな目的。この点でも『日本の東北』は、知っていただければきっとご満足いただけるはず」(JR東日本)というように、発展余地のある観光地が日本にまだ存在しているのは確かでしょう。
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