冬将軍来襲を前に北陸新幹線へ除雪車の配備が完了 東海道の教訓から強くなった新幹線

新幹線と雪といえば、東海道がしばしばその影響で遅延することがありますが、東北や上越が雪で遅延することはほとんどありません。北陸もおそらく、ほとんど雪の影響を受けないでしょう。この違いはどういうことなのでしょうか。そこには未知の世界を切り開いた東海道の、先駆者としての苦しみがありました。

ラッセル&ロータリー方式

 2015年3月14日の金沢延伸開業を控え北陸新幹線では現在、訓練運転が行われている最中です。そうしたなか、まもなく訪れる冬将軍に備えるため除雪作業車23両の配備が完了したと11月19日、JR西日本が発表しました。

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JR西日本が北陸新幹線に配備した除雪作業車。前後で「ラッセル」「ロータリー」と除雪方式が異なっている(資料:JR西日本)。

 この除雪作業車は、車両の片側が排雪板で雪をかき分ける「ラッセル方式」、もう片側は回転式の羽でかき込んだ雪を脇へ投雪する「ロータリー方式」になっており、状況に応じた使い分けが可能。スペックは以下の通りです。

大きさ:全長14m×幅3m×高さ4m
重量:32t
出力:800馬力もしくは600馬力
最高速度:70km/h

 JR西日本によると、800馬力という出力は新幹線用除雪車では最高とのこと。また除雪作業時の走行速度は5~45km/hといいます。製造は新潟トランシスです。ちなみに在来線用除雪車には、1965(昭和40)年に登場した出力2200馬力のDD53形というディーゼル機関車も存在(現在はすべて廃車)。雪をかき込んで脇へ投雪するロータリー方式のDD53形は、あまりのパワーゆえ投雪で民家の屋根やガラスを破壊したという伝説が残っています。

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