開業3ヶ月前の北陸新幹線 なぜ1日に25往復も試運転列車が走るのか

実は試験だけが目的ではない試運転列車

 もしかすると、試運転列車は車両や線路の試験や確認をするもの、というイメージがあるかもしれません。しかし実は、それ以外の目的で運転されることもあります。たとえば「乗務員の訓練」です。北陸新幹線で今回行われる試運転について、JRはこの「乗務員の訓練」を目的のひとつに挙げています。

 乗務員は車両についても路線についてもお客さんを乗せて走る前に、勉強し訓練を受ける必要があります。そしてすべての乗務員が訓練を受けるためには、それなりの本数の試運転列車を走らせねばなりません。現在、同じく来春に開業する上野東京ラインについても、乗務員訓練のため連日のように試運転列車が走行しています。

 またもちろん、車両の走行試験や設備の確認なども北陸新幹線で試運転列車を走らせる理由になっています。

 北陸新幹線の試運転で使用される車両はJR東日本のE7系とJR西日本のW7系で、期間は2014年12月8日から翌年3月13日までの予定です。JR両社は「3月の開業にむけて2社で協力し、万全の準備を整えていく」としています。

【了】

Writer: 恵 知仁(鉄道ライター)

鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。

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