急速にその数を減らす「踏切」 契機となったのは手動踏切の事故

現在、踏切が急速に数を減らしています。そのきっかけは「手動踏切」で2005年に発生した事故でした。

原則としてもう増えることがない踏切

「カンカンカン」という踏切の音。もしかしたら、それをなかなか聞けなくなる日が来るかもしれません。

 実は現在、踏切は急速に数を減らしています。JR東日本を例にとると、1987年に8358箇所あった踏切が2014年には7022箇所と、都市近郊を中心に1000以上の踏切がその役目を終えました。

 全国的に見ても、踏切数は50年前と比べ半減(7.1万→3.4万箇所)しています。交通渋滞などを引き起こすいわゆる「開かずの踏切」は「ボトルネック踏切」とも呼ばれ、行政が中心になって線路と道路の立体交差化が積極的に進められているからです。

 また今後、踏切が増えることも原則的にありません。「道路法」や「鉄道に関する技術上の基準を定める省令」で、鉄道は道路と平面交差してはならないと明確に定められているからです(ただ交差する道路の交通量が少ない場合や地形上等の理由によりやむを得ない場合はこの限りでない)。

 各地にある踏切のうち、特に現在姿を消しているのは都市部とその近郊にあるものです。渋滞の原因になるボトルネック踏切は都市交通の悩みの種であり、踏切の横断を必要とする近隣住民は不満を募らせてきました。その解決を図るための立体交差化が、実はこの10年で急激に進んでいるのです。

 なぜ現在、急速にそれが進んでいるのでしょうか。その契機になったのは、2005年に発生したいたましい事故でした。

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