廃止も示唆された北陸のローカル線、新幹線開業に合わせ試験増便 生き残りを模索
北陸新幹線の開業に合わせ、一時はバス転換などの可能性も示された北陸のローカル線、城端線で試験増便が実施されます。また城端線と、同様に将来が不安視された氷見線に観光列車が新登場。利用者減少に悩むローカル線にとって、新幹線開業は一筋の光明です。その効果をどう活用するかが注目されます。
ローカル線が一筋の光明にする北陸新幹線
JR西日本金沢支社は2015年1月22日、富山県を走る城端線で試験的に増便することを発表しました。目的は北陸新幹線との接続など、乗り継ぎ利便性の向上による城端線の利用促進です。砺波平野を行く城端線は高岡駅と城端駅を結ぶ29.9kmの路線で、北陸新幹線と新高岡駅で接続します。
実施期間は2015年3月14日から2017年春まで。高岡~城端間で1日8本(上り4本、下り4本)増便されます。
城端線は1日の平均通過人員が2628人(2013年度)と多くなく、経営的に苦しいことから、2010年にはJR西日本の社長がバス転換や本数削減などの可能性に触れたことがありました。また国鉄時代末期、1980年前後に行われたその再建では、輸送密度(平均通過人員)が4000人未満の路線は廃止対象とされたため、当時の基準であれば現在の城端線は廃止、バス転換の対象になります。
この城端線の平均通過人員について、1987(昭和62)年度は4479人ありました。それが2013年度は2628人ですから、26年間で約4割も乗客が減少しました。
北陸新幹線の開業にあたっては、こうしたローカル線へどのような波及効果があるか、また存続が危ぶまれるローカル線が「新幹線開業」という光明を上手く活用し、巻き返しを図れるかについても注目のポイントです。
ちなみに1日の平均通過人員について、大阪環状線は278282人、北陸本線の富山~金沢間は23013人になります(2013年度)。
※参考資料:JR西日本「データで見るJR西日本」
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