鉄道会社と鉄道ファン 入場券ではWin-Win?

鉄道ファンと鉄道会社がWin-Win

 入場券、特に硬券を求める鉄道ファンは多く、青い森鉄道(青森県)では2014年7月、一度は廃止されていた硬券の入場券を復活させています。また北近畿タンゴ鉄道(京都府・兵庫県)ではウェブサイトに硬券の案内ページを作り、どの駅で何の硬券を購入できるか詳しく解説しています。

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約30年を経ても文字が鮮明な硬券の入場券(画像:恵 知仁)。

 入場券の価格は1枚140円程度。それを販売して、もし使用されたとしても、鉄道会社に特段のコストが発生するわけではありません。少子化や過疎化などによって経営が苦しいことの多い地方の鉄道にとって入場券、特に硬券のものは、金額的にはわずかとはいえ貴重な収入源なのです。

 鉄道会社関係者によると近年、硬券人気が高いことからそれを作ろうとする鉄道会社が多く、注文が集中。作りたくても作れない状況もあったといいます。

 記念入場券ではない普通の入場券でも、鉄道ファンにとってはその土地を訪れた記念になってうれしい、鉄道会社にとっては制作コスト以外はほぼゼロで増収につながってうれしい。鉄道ファンも鉄道会社も、入場券は「Win-Win」の関係といえるのかもしれません。

 

【了】

Writer: 恵 知仁(鉄道ライター)

鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。

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