激化する成田戦線 LCC戦国時代、その未来は

3月29日からピーチ・アビエーションは成田~新千歳の定期路線を就航。関西、那覇に次ぎ、成田を第3の拠点にします。成田を舞台に、激しさを増すLCCの争い。そこにはどんな背景があり、また今後どこへ向かっていくのでしょうか。

LCCターミナルを使わないピーチ、その意味は?

 しかしながら、成田発着の条件は「非常に厳しい」といえます。航空各社の競争もさることながら、首都空港としての立地は決して良くありません。関西圏の利用者にとって、伊丹も関西もアクセスなどの利便性はそれほど変わらないかもしれませんが、首都圏の人々は「国内線と言えば羽田」という固定観念が強く、それを覆すことは並大抵のことではないのです。

 また、関西を含め地方都市は地元財界、地元メディアが積極的にLCCをPRしてくれましたが、情報が溢れる首都圏では、そう簡単にはいきません。関西圏で成功したピーチが首都圏でも人気を博すには、まだまだ時間が掛かると思われます。

 実際、ピーチは2013年から成田~関西線を運航していますが、首都圏ではまだ認知度は高くないのが現状です。出張族はこれからも羽田便を使うでしょうし、観光客に多く利用してもらうためには、旅行業界の強力なサポートが重要になるでしょう。

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ピーチはANAが主要株主(2013年7月、坪田敦史撮影)。

 幸いにして2012年以降、ほかのLCCが就航し国内線地盤を固めてくれたおかげで、利用者はある程度、成田に馴染んだところです。そんななか、ピーチが路線を増やすことで一気に知名度が増し、他社から乗客を奪うかもしれません。LCC各社が真っ向から対決する図式が生まれようとしています。

 ピーチは4月8日にオープンする成田第3ターミナル(LCC専用ターミナル)は使用せず、従来通りANAグループが使用する第1ターミナルを使います。第1ターミナルはショップも特に多彩で、利用者に好評です。第3ターミナルの使い勝手はまだ分かりませんが、ほかのLCCとそこで共存しないことで「安っぽさ」を出さず、ピーチはブランド力を維持し、差別化を図ることができるかもしれません。ピーチの戦略は、客観的に見て的を射ていると思います。

【了】

Writer:

航空ジャーナリスト。パイロットの資格を持つ。航空会社、空港、航空機などの記事執筆・写真撮影を20年以上続ける。『わかりやすい旅客機の基礎知識』(イカロス出版)、『ヘリコプターの最新知識』 (SBクリエイティブ)など著書多数。最近はボーイング787、LCC、オスプレイといった航空関連トピックで、テレビや新聞でもコメンテーターとして活躍中。

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