狙われるスカイマークの8% 「再建の鍵」羽田便の不透明な行き先

民事再生手続きを開始したスカイマークは、採算性の高い羽田線へ集中するなど経営の効率化を進めています。しかしその羽田線の便数維持すらできなくなる可能性があり、その「隙」が狙われています。

効率化を進めるスカイマーク、ぬぐいきれぬ懸念

 2015年2月4日に民事再生手続きを開始したスカイマーク。その目下の課題は「経営の効率化」を図り、事業の採算性を向上させることです。

 同社は2月1日から、12路線(茨城~米子、茨城~新千歳など)で便数を15%削減。また3月末で仙台~福岡、那覇~宮古、那覇~石垣の路線は廃止を決めています。確かに地方間の路線は採算が取りにくいので、やむを得ない措置でしょう。

 一方、需要の多い羽田発着路線はボーイング737型機により便数が維持されています。経営再建への重要な柱となるからで、既に予約済みの乗客を運ぶことで利益を生むのであれば、乗員と機材の都合が付く限りは運航を続けるものと思われます。特に新千歳および福岡便については本来、大型のA330型機で運行予定だったため、それが小型の737型機での運行になったことで満席に近い便もあるようです。

 このように採算性の厳しい路線から撤退し、羽田発着路線に集中。効率化を図るスカイマークですが、懸念もあります。

 まず、同社倒産のニュース(株式価値の全損失)が客離れを深刻化させるおそれがあること。そしてLCCへの乗客流出です。この3月末から人気のLCC、ピーチが成田~新千歳線、成田~福岡線へ就航し、バニラエアやジェットスターを合わせるとLCC路線の利便性が一層向上します。羽田にこだわらないのであれば、従来スカイマークを利用してきたビジネス客がLCCに流出するかもしれません。そしてこれらの結果、経営再建への重要な柱となる羽田発着便についても、減らさざるを得なくなる可能性が考えられます。

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