日本企業初 アメリカ首都の地下鉄に電車供給 川重

川崎重工は4月14日、ワシントンD.C.の地下鉄に新型地下鉄電車7000系を引き渡したと発表。アメリカ首都の地下鉄に電車を供給するのは、日本企業で初といいます。

ベース、オプション合わせて528両を受注

 2015年4月14日(火)、川崎重工は同社のアメリカ現地法人であるKawasaki Rail Car, Inc.(KRC)を通じ、ワシントン首都圏交通局(WMATA)向けの新型地下鉄電車7000系について、その初編成を引き渡したと発表しました。同社によるとアメリカの首都ワシントンD.C.に、日本企業が地下鉄電車を供給するのは今回が初めてだそうです。

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7000系の寸法は長さ23.0m、幅3.1m、高さ3.3m(画像:川崎重工)。

 引き渡された7000系電車は、同社が2010年8月に受注したベース契約64両の第1編成8両。アメリカ・ネブラスカ州にあるリンカーン工場で製造されたもので、WMATAの営業路線などで約1年間の各種検証試験が行われていました。また川崎重工はベース契約64両に加え、オプション契約464両を受注しており、2017年にかけて順次納入するといいます。

 この7000系電車はダレス国際空港への延伸計画、老朽化した既存車両の更新計画、混雑緩和といった旅客サービス向上計画にともなって導入され、WMATAでは初めてのステンレス車体を採用。また、従来は各車両に設置されていた運転室を2両あたり1か所に減らすことで座席数の増加が図られているほか、デジタルコンテンツ表示装置やCCTVカメラ、情報転送などの最新システムを備え、安全性と合わせて信頼性、快適性にも配慮したといいます。

 川崎重工によると、アメリカではオバマ大統領のもと景気対策として交通インフラを含めた社会資本への投資が積極的に検討されているといい、「北東回廊の都市交通やアムトラックをはじめとする都市間交通の老朽車両置き換えや輸送力増強のためのプロジェクトが実施されることが予想されています」とのこと。同社はニューヨーク市の地下鉄などにも車両を納入しています。

【了】

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