自動運転車で日本は世界に勝てるのか? 鍵は「歩行者」

開発が進む自動運転車。しかし「歩行者」という大きな課題があります。メルセデス・ベンツは路面にレーザーで横断歩道を描き安全を確保する技術を提案していますが、日本はどうするのでしょうか。またこの技術開発は交通死亡事故の低減にも繋がるため、大きな期待も寄せられています。

負けられない日本

 国内に目を転じてみましょう。現在、日本でも国家プロジェクトとして自動運転の実用化を目指した動きがあります。私(清水和夫)は内閣府のSIP(戦略的イノベーションプログラム)推進委員として意見を述べていますが、ここには2つの大きなチャレンジが存在します。

 まず、自動車産業としてチームジャパンが世界で勝てるのかどうかです。日本のGDPを牽引する自動車産業が、自動運転の技術領域で負けることは許されません。メルセデス・ベンツを支えるドイツのサプライヤーの技術に勝てるかどうか、まさに日本の自動車産業の未来がかかっています。

 ふたつ目のチャレンジは、交通事故による死亡重傷者の低減です。現在、年間死者数は約4300人まで減らすことに成功しましたが、その内訳では歩行者と自転車の死亡重傷が増えています。つまり車外の被害が増えているのです。自動運転で歩行者の事故をどこまで防ぐことができるのか、関係者は具体的なプランを練っています。日本政府は2020年までに交通事故死者数をあと1000人減らす目標を掲げていますが、そのためには歩行者の事故対策が不可欠です。

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横断歩道をレーザーライトで路面に映すメルセデス・ベンツ「F015」のイメージ(画像提供:ダイムラーAG)。

 こうした状況のなかで自動運転技術を進化させることによって、事故低減に期待が寄せられています。しかし、自動運転で歩行者の検知は難しい領域の技術です。最近は軽自動車にも自動ブレーキ(AEB)が市販されているので、日本は実用化が進んでいると思われがちです。しかし実際はもっとセンサーの能力を向上させたり、天候などで影響を受けないセンサーの開発も必要でしょう。

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