C2中央環状線全通から1ヶ月 無駄な時間減る
所要時間が安定することの意味
また混雑が緩和したことによって所要時間のばらつきが減少し、定時性が向上しました。新宿~羽田空港間では、所要時間のばらつきが30分から15分に半減。首都高速道路は「利用者にとってリスク(遅れ)を見込んでいた無駄な行動時間の軽減が期待されます」としています。
羽田空港のリムジンバスにおいても、4月のダイヤ改正から所要時間が最大15分短縮されたほか、首都高速道路によると、それを運行する東京空港交通は「運行の安定性が向上している」と話しているそうです。
物流業界でも定時性が向上したことによって到着時間の予測がしやすくなり、「配達時間の安定」といった物流の効率化にも良い影響が出ているといいます。
一般道路について、C2の3月に開通した区間と並行する山手通り、環七通りなどではC2への経路転換が図られ、混雑時間帯の所要時間がおよそ1割から3割短縮されたそうです。
また背高4.1mの国際標準コンテナ車は、C1都心環状線や山手通りにある構造上の制約などから主に環七、環八通りを利用していました。しかし、そのコンテナ車でも通れる中央環状線が開通したことにより、環七通りでは国際標準コンテナ車の交通量が約15%減少したといいます。
山手通りに並行する区道(桐ヶ谷通り)でも大型車交通量が減少しました。そのため首都高速道路は、自転車走行の安全性向上にも効果があったとしています。
ただそうした効果に対し、C2の西新宿JCT~熊野町JCT、また3号渋谷線の大橋JCT~池尻間など、渋滞が増えている箇所も存在。首都高速道路は「拡幅による車線増などの渋滞対策を引き続き進めるともに、効率的なルート選択が可能となる情報提供など、追加対策を検討、実施していまいります」と話しています。
【了】
Writer: 恵 知仁(鉄道ライター)
鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。
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