リニア世界最速603km/h 達成への4分間
「世界一」へ、4分間のドキュメント
10時44分42秒、「世界一」という行き先に向け、「3本目」が発車しました。
10時46分17秒、L0系は発車から1分35秒で東海道新幹線の最高速度である285km/hに到達。新幹線車両でトップの加速力を持つN700系(N700A)は、270km/hへ到達するのに3分を要します。
10時46分31秒、新幹線の最高速度である320km/hを超えます。
10時47分21秒、JR東海の試験電車955形「300X」が1996(平成8)年7月26日に記録した443km/hという新幹線最速記録を、L0系が突破します。
10時47分45秒、リニア中央新幹線の設計最高速度である505km/hを超え、L0系は引き続き加速。
10時48分23秒、2003(平成15)年に超電導リニアが記録した世界最高速度581km/hを突破。
10時48分30秒、発車から3分48秒後でした。L0系がついに、603km/hの世界最高速度を記録。JR東海によると10.8秒間、距離にして1.8km、600km/h以上で走行したそうです。
この日、超電導リニア走行試験の最高速度は「1本目」が500km/h、「2本目」が580km/h、「3本目」が603km/hの計画で行われています。つまり超電導リニアの世界最高速度達成は「計画通り」でした。
「本日、超電導リニアが世界最高の603km/h走行に成功しました」
山梨リニア実験線に隣接して設けられている「山梨県立リニア見学センター」の空には、その言葉がスピーカーから幾度となく流れていました。
【了】
Writer: 恵 知仁(鉄道ライター)
鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。
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