リニア世界最速603km/h 達成への4分間
4月21日、超電導リニアが有人走行で603km/hという、鉄道の世界最速記録を更新しました。この日、山梨リニア実験線ではどのように走行試験が行われ、鉄道史上初めてとなる600km/hの大台突破が達成されたのでしょうか。歴史的なその1日のドキュメントです。
世界の鉄道史に残る「421」
有人走行で603km/hという鉄道の世界最速記録を打ち立てた超電導リニア。600km/hの大台を鉄道が突破したのは、これが初めてです。それが達成された「2015年4月21日」は、世界の鉄道史に残る日になりました。
この歴史的な日、どのようにしてその「速さ」が記録されたのでしょうか。なお以下の記事中に登場する時刻は、見学ルームに表示された超電導リニアの前面映像と速度、現在位置をもとに、記者が電波時計で確認したものであり、公式記録ではないこと、多少の誤差が考えられることをご了承ください。
2015年4月21日(火)、超電導リニアの「高速域走行試験」は山梨リニア実験線を2往復する形で行われました。この山梨リニア実験線は全長42.8km。将来は東京と大阪を結ぶ中央新幹線の一部になる予定で、東西方向に建設されています。
まず10時過ぎ、7両編成のL0系が実験線の東側から西側へ向けて発車。この「1本目」は最高速度500km/hで運転されています。
実験線の西側へ到着したL0系は10時16分頃、折り返して東側に発車。この「2本目」は最高速度580km/hで運転されました。2003(平成15)年12月2日に超電導リニアが記録し、今年4月まで世界最速記録だった581km/hと同等の速度です。
東側へ戻ったL0系は10時23分頃、再び西側へ折り返しますが、このときは途中の「実験センター」で停車。そこで係員を乗せてから、西側へ向かっています。
そして、いよいよです。計画通りに行けば、係員を乗せて西側へ到着したL0系が次に東側へ「3本目」として戻ってくるとき、「鉄道の史上最高速度」が更新されているはず――。実験センター上空には報道のヘリコプターが飛んでいました。
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