異常な沿線風景 おみこしトーマス、地方鉄道を救う?

大井川鐵道で、2年目の「きかんしゃトーマス」運行がスタートしました。乗車には抽選が必要なほど人気の「トーマス」。先だって行われた試乗列車に乗車したところ、異常な沿線風景に出会い、ルックスだけではない「トーマス」が秘める“力”、そして地方ローカル鉄道における“可能性”が見えてきました。

「仕込んでないですよ!」

 2015年6月7日(日)から大井川鐵道(静岡県島田市)で、「きかんしゃトーマス」の運転が始まりました。C11形というかつて国鉄で使われていた本物の蒸気機関車を「トーマス」にしたもので、昨年2014年に運行を開始。抽選での乗車になるほど、高い人気を集めています。また今年からは新たに「ジェームス」も、茶畑と大井川の風景を走ることになりました(「ジェームス」の運行は7月11日から)。

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千頭駅で「ヒロ」「パーシー」と並ぶ「トーマス」(2015年6月4日、恵 知仁撮影)。

「トーマス」が今年の運行を始める直前の6月4日(木)、ひとあし早く運転された試乗列車に乗車したところ、ルックスだけではない「トーマス」が秘める“力”、そして“可能性”が見えてきました。

 この「トーマス」試乗列車に乗って最も驚いたのは、その“車窓”です。沿線の各所で老若男女、たくさんの人々が「トーマス」に向かって手を振っていました。引率された大勢の子どもたち、工場での作業中にちょっと抜け出してきた風の作業着を着たおばちゃん、道路脇へトラックを停めていた配送中かもしれないおじさん、日章旗を振るお婆ちゃん。また「おかえりトーマス」といった横断幕、垂れ幕もしばしば見られました。

「何も仕込んでないですよ!」(大井川鐵道広報担当、山本さん)

 このことについて大井川鐵道に尋ねたところ、返ってきた答えです。全国各所でしばしば手を振って列車を見送ろう、といったイベントが実施されることがありますが、この「トーマス」運行にあたっては、試乗列車への乗車希望者を沿線で募集したため運転日と時刻は知られていたとしても、それ以外は何もしていないとのこと。こんな状況になるとはまったく想像しておらず、大変驚いたそうです。

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