現金車値上げの動き、高速の同一料金化計画が背景か?

首都圏の高速道路において、発着地が同一ならばどの経路でも同一料金にする、という計画があります。しかし、実現は簡単ではなさそうです。特に非ETC車については、大幅値上げがあり得るかもしれません。

現金車を値上げするのが目的か

 先日(2015年7月12日)、産経新聞が、「全自動車ETC化で人件費など3000億円減、国交省、不公平感解消へ試算」という記事を掲載しました。しかしその内容は、一読しておかしいと感じるものでした。


 いわく、「試算は東日本、中日本、西日本、本州四国連絡、首都、阪神の6つの高速道路について行った。6高速の料金所には計6937本のレーンがあるが、このうち4割近く(2560本)を占める現金車専用レーンがなくなった場合、現金を扱う機器の設置費などがなくなり、レーンの建設費は4320億円から4割減の2750億円にまで下がることが判明した。また、現金車に対応するための人件費は昨年度、計786億円に上った。現金車がなくなればこの人件費も数百億円程度削減される見通しで、レーン建設費と合わせて3千億円前後のコスト削減効果が見込まれる計算だ」とあります。

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全ETC化で下がる人件費は高速道路6社における合計年間料金収入の3%(2015年3月、下山光晴撮影)。

 が、レーンの建設費については、ETC導入前から存在していたものが大部分ですから、あとから節約しようとしてもできるはずがありません。また現金車に対応するための人件費の786億円という金額も、確かに巨額ではありますが、高速道路6社の年間料金収入は合計約2兆5000億円。786億円はその3%にすぎません。仮に現金車に要する人件費をゼロにして、その分料金を値下げしても、値下げ幅はわずか3%ということになり、大勢に影響はないのです。


 つまりこの記事は、現金車の値上げを検討中の国交省が、世間を納得させるための材料として、あまり意味のない試算をしたといえるでしょう。国交省側も、「レーンの建設費は、もし建設していなければという金額です」と認めています。


 また、国土幹線道路部会の基本方針には、「ETCによる料金支払いの義務化に向けて検討」という文言があり、その前段階として、現金車の値上げを検討していることも事実だそうです。

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コメント

2件のコメント

  1. 現金車のせいで、余計に莫大な費用がかかってるのは事実なのだから、それはそれで、なくす方法を考えるべきでは
    いきなりなくすのは難しいので、まずは、現金車のみ値上げしてETCに誘導しては

    • 現金車は無くせないし値上げも無理でしょ、それなら現ETCを下げるべきだし、元は現金徴収から始まった高速道路であってETCですら割引や器材の助成があったから普及したわけだし、それに料金所の人員コストを削っても結局はは他の仕事をあてがうのが落ちで、この現金値上げの目的は自分らの船に意外に乗る客が少ない悪あがきみたいなもんでしょ!