走行77kmの夜行列車 その目的は 西武

西武鉄道が、私鉄では珍しい夜行列車を運転しました。走行距離はわずか76.8km。なぜそのような短い区間で、夜行列車が走ったのでしょうか。

珍しい私鉄の夜行列車

 2015年8月25日(火)、「私鉄の夜行列車」が運転されました。西武鉄道が池袋~西武秩父間で臨時運行したものです。全国規模のJRでも数少なくなった夜行列車。路線が短く、夜行列車の必要性が乏しい私鉄での運行は珍しいことです。

 しかし池袋~西武秩父間は76.8kmしかなく、通常の特急ならば所要時間は80分程度。なぜ西武はそこに夜行列車を走らせたのでしょうか。

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池袋~西武秩父間、わずか76.8kmの距離で運転された西武の夜行列車(2015年8月26日、恵 知仁撮影)。

 答えはその列車名にあります。「夜行特急レッドアロー雲海号」。東京・池袋を深夜に出発し、西武秩父駅へ真夜中に到着。そこでバスに乗り換えて雲海鑑賞スポットとして知られる三峯神社(埼玉県秩父市)へ向かい、明け方の絶景を鑑賞しよう、という目的で運転されました。

 西武秩父駅から、バスで1時間以上かかる山奥の三峯神社。そこでの雲海鑑賞を考えた場合、前泊するなどの対策が必要になります。しかしこの夜行列車を利用すれば、宿泊なしで気軽に絶景を楽しめるというわけです。西武鉄道によると、この夜行列車は満員御礼。約300人が乗車したといいます。

「夜行特急レッドアロー雲海号」は8月25日の夜、正確には日付の変わった26日の0時29分に池袋駅を発車。西武秩父駅に向けて走り出しましたが、そのなかに1両だけ、変わった車両がありました。

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コメント

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3件のコメント

  1. 面白い企画夜行列車ですね。しかも、球場の売り子さん付きとは、何か球場行った気分で飲めますしね。

  2. 雲海の出やすいのは9月末から11月初めごろ。その時期に合わせて運転しないと空振りに終わるよ。

  3. そもそもこんな時間帯にわざわざ座席撤去してカウンター設えてまでビール提供する必要あるのかね?

    雲海見物が目的で前夜はしっかり休んだ方が良い行程だし、しかもその後お手洗いの無いバスに乗るので飲み過ぎを抑制する案内もしているぐらいだし。