見えない車庫へ特別新幹線 回送1723号走る
田町駅を過ぎ、いつもとは違う方向へ
「東京駅から大井車両基地までの距離は10.5km。約11分ほどで到着いたします」
特別な新幹線をより楽しんで貰おうと、車掌さんによる案内放送が随時行われました。
「列車はしばらく『のぞみ号』や『ひかり号』、『こだま号』と同じ線路を走ります。この区間はカーブが多いため、新幹線でも速度は出せません。並んで走っている東海道線や山手線に追い抜かれることもあります」
乗車している親子たちから笑い声が聞こえてきました。
「まもなく、車両基地へ向かう回送線に入ります。この先の田町駅を過ぎると、左に大きくカーブをして大井回送線に入ります」
ほどなく、ポイント(分岐器)を通過する音と感触が伝わってきました。
「ただいま、大井回送線に入りました。いま右側に広がっているのは、JR東日本の車両基地です」
JR東日本の車両基地は通常の東海道新幹線からも見えますが、回送線からはこのように上から見渡す形で眺められました。
話題になった現在不使用の線路が出現
回送線に入ると、すぐ左側に並行して走る線路が現れました。
「左側の線路は、貨物列車が通る線路です。いまは使われておりません。2025年にはこの貨物線を使用して、東京から羽田空港間を開通させるといったこともテレビで話題になりました」
この貨物線は浜松町駅から大井車両基地の隣にある東京貨物ターミナル駅を経由し、南武・鶴見線の浜川崎駅へ至ります。途中、羽田空港付近を通るため、この貨物線から羽田空港への新線を建設すると共に、この貨物線を活用。羽田空港と東京駅、新宿駅、新木場駅方面を直結しようという構想をJR東日本が2014年に発表し、注目を浴びました。
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