ETCバー撤去実験、その真の目的とは 国交省が描く“理想の高速道路”

渋滞原因ではないETCのバー、なぜ撤去実験を行うのか

 ではなぜ今回、国交省はETCのバーを撤去する実験を行っているのでしょうか。国交省の道路局高速道路課は、以下のように話します。

「ETCは2001(平成13)年に導入し、現在の利用率は約9割になっています。かつて料金所での渋滞が多かったことがETC導入のきっかけです。そして当初は、現金車用のブースをベースにして、その狭いレーンにETCの機材を入れていました」

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「ETCの能力をフル活用」するという、バーのない新しい料金所のイメージ(画像出典:国土交通省)。

「しかしETCをメインとすれば、料金所の幅を広くすることが可能になります。参考図のように2車線をぶち抜くことはできないかもしれませんが、原理的には可能なので、我々としてはそれを目指しています」

「よりストレスなく快適に高速道路に入ってもらえるようにする、というなかで、今回はバーを取る実験をしました。速度がおそらく上がるなかで、現金車との合流がどうなるのか見ていきます。今回の実験は、この参考図を目指した一環です」

 つまりETCバー撤去の実験は、「より理想的な高速道路の実現」が目的だったというわけです。しかし、ならばなぜ現在、ETCにバーがあるのでしょうか。

「導入当初は、ETCに慣れてない方が多かったからです。機械をセットしただけで、カードを挿してない事例も多数発生。こうした方が多いと結局、渋滞してしまうのでバ-を付けました。もうひとつの理由は、現金車とETC車の合流です。昔は現金車が多かったので、ETC車だけ速いスピードで抜けると、スムーズに合流できない恐れがありました。そこでETC車の速度を抑えるため、バーを設置しました」(国土交通省・道路局高速道路課)

 現状、ETCの利用率は9割にまで達し、そうした懸念が薄れたため、そろそろバーを外してもいいかもしれない。今回はそれを確認するのが目的というわけです。

 ただそれにより、新しい懸念もあります。バーがなくなると、料金不払い車が増加するのではないでしょうか。

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コメント

11件のコメント

  1. 筆者の清水草一さんは、国内事情しか知らないから「ETCのバーをなくしてほしい!」と切望している利用者はいるのでしょうか?と決めつけられていますが、海外の高速道路では、ほとんどバーがありません。

    日本と同じ様にバー付のゲートがある国もありますが、首都高のETCセンサーのようにバーの全くない高速道路も存在します。(オーストラリア、アメリカ、アイルランド、ポルトガルで体験しています)
    料金所的な建造物があるとしても、バーが無い方が多数派でしょう。

    日本のバー付で低速通過を強要するETCゲートはストレスになります。
    当然、海外のストレスフリーの高速道路を知らなければ「ETCのバーをなくしてほしい!」と切望しようがないと思いますが、知ってしまえば「ETCのバーをなくしてほしい!」と思うはずです。

    そんなことよりも、日本の北海道でも東京でも全国一律的な速度規制の方が現実的でありません。
    昨日だったか、2車線区間の高速道路での問題を論ずるニュースが飛んでいましたが、海外であれば中央分離帯の無い片側1車線道路でも90Km/hが当たり前です。(一般道でもです)
    それで、事故率が高いのかというと調べて見なければ分かりませんが、恐らく誤差の範囲で否でしょう。

    せっかく建設的な意見を発表されているのですから、もう少し幅を広めて日本の非経済的かつ非現実的な道路規制を研究して発表していただきたく思います。
    事故車があると、その前後数キロに渡って50Km/h規制になる日本の高速道路が、最たるものでしょうし、それ以外にも山ほどあると思います。

  2. 役所が考える事だから、どうせロクな事じゃない。
    メリットしか言わない事やデメリットを過小に表現する事に
    良いことなんか一つもない。

  3. バーが上がらなくて急ブレーキで後続車が追突という事例は耳にするので、
    その事故が無くせるなら、価値はありそうです。

  4. すべての料金所が首都高の本線みたいにフリーフローになったら、とても楽だと思うんですが。
    料金所用地もほとんど要らなくなるし、バーが閉まって急停車して起こるような追突事故も無くなるでしょう。
    今のETC機器の更新時期にどんどん取っ払っていけば、それほどお金もかからないと思います。

  5. 米国と同じEzpassのように完全にゲート毎取っ払うべき
    ナンバー読み取り技術があるのだから、不正利用車両には車検時に請求して、払わなければ車検を許可しなくすれば良いだけ。

    • 全く同感、
      こんなゲートは時代遅れ、

  6. ETC?
    そんなもんいらん。

  7. 「バーを外すだけなら費用はかかりませんが、」????????
    必ず費用はかかります。おそらく物的費用を言いたいのでしょうが、取り外す人件費は必ずかかります。どう思いますか⁇

  8. 本題とは関係無いですが、大井料金所からの渋滞は、やはりETCゲートが原因である気がしてなりません。
    ただこのゲートを撤去してもご指摘の問題がボトルネックとなり結局渋滞が発生しそうではあります。
    ゲート撤去と合わせて渋滞の一因となりそうな東行きの東京湾トンネルにも速度ガイド照明をつけて頂きたいものです。

  9. ETCのバーは、邪魔で、ストレスがたまります。バーをなくしてほしいと切望しています。
    これがなくなると、料金不払いが増加する、、との事ですが、
    オービスのように不払い車は、写真を撮って、あとから罰金を払わせれば、問題ありません、
    既に90%以上が、ETC車ですし、残りの10%が、不払い車になるとはいえません、、
    多分、1%もいないで「しょう、、

  10. 具体的に効用を計測するのは困難を極めるだろうが、減速→再加速が不要になることによる燃費の向上、および総体としてブレーキダストやCO2などの排出減など、環境負荷の低減には確実につながると思われる。だが一方で、低速→再加速による、管楽器のようなエンジンがむせび泣く瞬間を味わう機会が減ずるのもまた、確実だろう。