【今日は何の日?】“大幹線”山陽本線を補完した路線が全線開業
11月24日、瀬戸内海の眺望に優れた路線が全線開業しました。
1935(昭和10)年の11月24日。広島県内の三原~海田市間87.0kmを結ぶ現在のJR西日本・呉線が全線開業しました。このとき、西側を走っていた呉線(海田市~広)と、東側を走っていた三呉線(三原~三津内海)が接続され、いまのように三原~海田市間が呉線になります。三津内海駅は現在の安浦駅です。
この呉線は、現在では通勤・通学輸送を主体とし、瀬戸内海の眺望に優れることから観光列車「etSETOra(エトセトラ)」が走るなど観光路線の要素も併せ持つ形ですが、かつては東京直通の優等列車も走行。“地域の大幹線”山陽本線を補完する役割もありました。
呉線は沿線に“軍港都市”呉を持つことから東京への直通列車が古くから運転されていたほか、山陽本線は三原~広島間に“セノハチ”と呼ばれる厳しい山越えがあり、呉線はそれを避ける列車の迂回路としても機能していました。寝台特急(「安芸」)が走っていたこともあります。
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呉線経由は若干山陽本線西条経由より距離が伸びるが、西条経由は山間部にかかり、とりわけ瀬野から八本松にかけて上り列車が登りとなる連続急勾配があり、登坂能力に劣る車両の通過や、今は少ない大量輸送貨物列車には難所だった。
このため、呉線もいざという時に山陽本線のバイパスたりえるように、線路規格は高く設定された。