リニア“最大の難所”南アルプストンネル、真の懸念は 高速鉄道の未来占う

本家アルプスに比べれば簡単?

 しかし約1400mという土被りは、“前代未聞”とは表現できない数字でもあります。

 ヨーロッパの“本家”アルプス山脈を貫くスイスのゴッタルドベーストンネルは、土被りの量がさらに1000m近く多い約2300mで、すでに2010年10月に貫通しています。

 また日本でも標高1977mの谷川岳直下を貫き、群馬県と新潟県を結ぶ上越新幹線の大清水トンネルは、土被りが約1300mです。

 そのためJR東海と独立行政法人の鉄道・運輸機構は南アルプストンネルについて、「上越新幹線大清水トンネル(延長22.2km:最大土被り1300m)、東海北陸自動車道飛騨トンネル(延長10.7km:最大土被り1000m)での施工実績や、これまでに得た地質性状から判断すれば施工可能である」とした資料を国土交通省へ提出しています。

 ただ地質や地層が異なるため、トンネル掘削の難易度を単純に比較することはできません。大成建設の村田社長は合わせて南アルプストンネルについて、「多い湧水、複雑な地層」など、いくつかの難しさがあると話しました。

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膨張し内側へ膨れた北陸新幹線の飯山トンネル(画像出典:国土交通省)。

 また先出のJR東海と鉄道・運輸機構の資料においても、「地山からの高圧湧水、糸魚川・静岡構造線等に伴う破砕帯周辺における切羽の自立性ならびに大量湧水、大土被り区間における塑性押出しなどが考えられる」とされました。「塑性押出し」とは、簡単にいえばトンネルが土の圧力によって内側に押されることです。

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コメント

3件のコメント

  1. トンネルの難工事と言えば、真っ先に中部縦貫道の安房トンネルもあるはずなんだが、なぜだろう、話題にもならん。

  2. ゼネコンがどこも引き受けたがってないらしいですね。これは楽しみだ。

  3. 20年。30年懸けるつもりで安全第一で;