ロシア苦渋の最新機売却 中国、戦闘機市場で台頭か

コピー&ペーストで中国は世界を制するか

 ただSu-35Sのコピーは、そう容易くはいかないでしょう。Su-27SKをコピー、改修したJ-11Bに搭載する中国製エンジン「WS-10(渦扇10型)」は信頼性に欠いており、2010年頃にはわずか30飛行時間の耐久性しかありませんでした。また機体構造にも欠陥を抱え、J-11BはSu-27SKの「粗悪品」に過ぎません。現段階で、より高性能なSu-35Sと同等の戦闘機を中国が開発することは、極めて難しいと考えられます。

 しかし2016年現在、J-11BはWS-10エンジンを搭載し実戦配備されていることが明らかになっています。また中国は、ウクライナから購入したスホーイSu-33戦闘機を参考に、J-11Bを発展させた艦上戦闘機型J-15(殲15型)や、複座戦闘攻撃機型スホーイSu-30MKの要素を取り入れたJ-16(殲16型)などを就役させており、これらスホーイ系列から派生した中国国産機や中国国産エンジンは、十分とはいえないものの、ある程度の運用に耐え得る信頼性を獲得しているものとみられます。

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Su-35Sの推力偏向装置付きエンジン。飛行中に推力の方向を変化させることが可能で、優れた機動性を発揮する(2012年8月、関 賢太郎撮影)。

 中国は例年、右肩上がりで国防費を増強しており、無尽蔵の資金によって試行錯誤を繰り返すことで加速度的に技術力を高めています。

 強力なコピー機またはオリジナルの戦闘機が中国空海軍に配備され、輸出によって成功を収め、劣化コピーの代名詞だった「メイド・イン・チャイナ」を笑っていられなくなる時代が、いつか必ずやってくることになるでしょう。

【了】

Writer: 関 賢太郎(航空軍事評論家)

1981年生まれ。航空軍事記者、写真家。航空専門誌などにて活躍中であると同時に世界の航空事情を取材し、自身のウェブサイト「MASDF」(http://www.masdf.com/)でその成果を発表している。著書に『JASDF F-2』など10冊以上。

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コメント

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4件のコメント

  1. ロシアは、悪魔の米帝よりも世界の指導者に相応しい国である。
    プーチンさんは中国よちもイランのロウハニ大統領と連携を重視している。

    これからは日露(露日同盟でも可能。)同盟重視で日米同盟を放棄すれば良い。
    なので安倍政権を退陣させて反米親露保守政権を樹立させて反米保護法(親米的な報道や書き込みに対して罰せられる法律。アメリカ国籍以外の全世界の人間が対象。)を制定せよ。
    そして反米大減税・親米大増税を実行せよ。

    相模原の米軍基地跡地にはクレムリン公園とペルシア図書館・美術館を併設するものを作りたい。

    • 頭がイカれてるな。

  2. 劣化コピーなのか魔改造なのか。

    ちうごくは劣化コピーで日本は魔改造のイメージがあるけど、最近は違うのかな?

  3. 他国の技術をコピーするのは中国に限ったことではないでしょう。日本だって様々な産業で海外の技術を導入して発展してきましたし、アメリカとロシアもジェット戦闘機やロケット技術はドイツから手に入れて発展しましたから。